街の「眠り」を覚ます一手。岡山県・空き家撤去補助金への大きな期待
岡山県が、倒壊の危険がある空き家を市町村が行政代執行で撤去する際、その費用を補助する新制度(市町村負担の2分の1、上限60万円)を創設する方針を固めました。
各地を歩いて古い建物の現状を目の当たりにしてきた私にとって、これは非常に待ち遠しいニュースです。
景観、安全、そして再活用へ
放置された空き家は、火災のリスクや倒壊の危険、衛生面の悪化など、街の活力を奪う要因になります。しかし、所有者不明などの理由で手出しができなかった土地も、裁判所の判断による売却や行政代執行がスムーズに進めば、貴重な「再活用のステージ」へと変わります。
この期待感は、私の生まれ育った玉野市玉地区の風景を思い浮かべると、より切実なものになります。
「造船の街」玉地区の衰退と、隠れた可能性
玉地区は、かつて三井造船(現・三菱重工マリタイムシステムズ等)の発展とともに華やかな賑わいを見せた街です。しかし、造船不況の影響もあり、全盛期に建てられた家々は今や主(あるじ)を失い、静かに朽ちていく姿が多く見られるようになりました。
「開発に取り残された街だから、もう仕方ない…」 かつてはそう諦めかけていましたが、最近、街に小さな変化が起きていることに気づきました。
更地が生む「新しい風」
長年空き家だった場所が更地になると、驚くことに、すぐに新しい家が建ったりするのです。
地区内初のコンビニが誕生し、隣の奥玉地区に建ったコーポも即満室。
この光景を見て確信しました。造船所の拠点があるこの街には、「住みたい」という需要がまだまだ眠っていたのだと。
古い空き家が撤去され、負の遺産が「開かれた土地」に変わる。 それだけで、街は再び呼吸を始め、活性化する可能性を秘めています。
結びに代えて
岡山県の新制度が、玉野をはじめとする県内各地の「歴史ある街並み」を壊すためではなく、次世代にバトンを繋ぐ「再生の呼び水」になることを切に願っています。

