かつては西の高野山と称される程、仏教で栄えた宗教都市だった地域です。
しかし美作、備前、播磨の三国の国境に近いことから戦渦に巻き込まれることが多く、徐々に衰退してしまいました。
現在では二つのお寺が残るのみで、昔ながらの農村風景が残されている事から、岡山県の景観を保護する為の制度であるふるさと村に指定されています。
ふるさと村と言っても、吹屋のように多くのお店が立ち並ぶような場所ではありません。
近くに一件、お土産などを扱うお店があるのと、お蕎麦のお店があるくらいです。
とは言っても、この風景はそれらを補って余りあるものがあります。
かつて【黒い雨】という映画のロケ地に採用された際、電柱を地中化しており、風景はまさに文明開化以前の農村です。
民俗資料館には映画内で作られていた像が残されています。
上の写真の建物が民俗資料館です。
資料館と言うよりは、昔ながらの民家をそのまま残したのか、それとも再現したのか。
生活観のある民家の様子を見る事ができます。
まるで横溝正史の作品にでも出てきそうな雰囲気。
置かれている家具などは相応に年代を感じさせます。
ちなみに見学は無料です。
生活感たっぷりです。
そしてこちらが八塔寺です。
ふるさと村が一望できる場所にあります。
歴史ある寺院の名前を引き継いでいますが、実は真言宗ではありません。
無住になっていた寺に新しく入った住職が天台宗だった為、その時から天台宗に変わっています。
この寺院自体も元々は常照院という寺院で、前述の天台宗の住職が入った頃に八塔寺と改称したそうです。
資料で確認したわけではないのですが、八塔寺というのは元来はひとつの寺というよりは宗教都市として栄えていた現在の八塔寺ふるさと村の一帯を指していたようですね。