自殺の名所と言われる場所は幾つかありますが、私の生活圏では岡山市の児島湾大橋が挙げられます。
名前の通り児島湾を跨ぐ大きな橋です。
橋の成り立ちとしては玉野市~岡山市を結ぶ児島湾締切堤防の道が大型自動車通行禁止(許可車輛を除く)の為、それらの車両が通行できるようにと作られました。降りるとするに岡山港につくアクセス面の事由もあり、トラック意外にも多くの車両が通行しています。
どれくらいの件数が発生すると名所と呼ばれるようになるのか分かりませんが、この橋では何年か前に飛び降り自殺があったのも事実です。
正直それ以外となると思い当たらない部分も多いのですが、ニュースで報じられないケースもあるでしょうし、もしかするともっと多いのかもしれません。
ところでそんな場所であるにも関わらず、児島湾大橋にはフェンスが無い箇所が幾つかあります。
実際の走行動画を見てみましょう。
児島湾大橋
無風状態の時の橋は最高。 pic.twitter.com/7Ez1fSNjsu
— まちかど│岡山の街角から (@0kayamania) November 13, 2021
どうでしょう。意外とフェンスが無いエリアが多いです。
フェンスがあっても、自殺防止の為のネズミ返しになっている箇所は宮前トンネルの出口付近だけです。
フェンスの上部が逆向きになっているのが防止柵などと呼ばれるフェンスです。
これがある事で飛び降りを防ぐ効果が得られます。名所と呼ばれる場所でよく見られます。
これが少し先に行くと、フェンスが無いエリアもあります。
先ほどの防止柵がある場所よりもさらに高い場所でフェンスが無く、最も高い部分には防止柵ではなく普通の柵が設置されています。
これがネット上で橋を名所として語る場合にも謎として触れられる事があります。実際に私も不思議な感じはしました。
そして地図を見たりネットでそれらしいキーワードで検索していて、もしやこれが答えなのではないかと思い当たる部分がありました。
まず最初に紹介した防止柵のついた部分。
実はこの部分の下は海ではなく道があります。
他の部分は下が海になっています。
ここで人が水面に落ちた場合、どれくらいの高さで生命の危険があるのかを調べてみます。
さすがインターネット大辞典です、「飛び降り」の項目もありました。引用します。wikipediaなので正確さについてはやや微妙なところもありますが、その辺りを加味して読んでみて下さい。。
落下点が地面の場合45メートル以上、水面の場合75メートル以上からの落下であれば、生還例がほぼない為、確実に死に至るとされる。(Wikipedia:「飛び降り」より引用)
これは生還例の有無なので、この高さまで大丈夫という訳ではありません。
落ちた場所が衝撃を吸収するような場所なのか、体の姿勢がどのような状態だったのかなど、諸条件が絡んできます。例えば人気歌手の坂井泉水さんは3mの高さから転落した際に後頭部を打ってお亡くなりになっています。
橋は最も高い地点で水面から約30mです。
先に挙げたwikipediaと比較すると、生存例がほぼ無いとされる数値の約半分です。決して安全な数字という訳ではありませんが、橋の管理をする人にとって最も危険な箇所は宮前トンネル付近と判断したのではないでしょうか。
ちなみに橋の北端部で下が陸地になるのはこちらの個所です。
こちらは陸地の上とは言え高さがさほどない為かフェンスはありません。確かに大けがはするでしょうが、打ち所が悪くなければ…という高さです。
もしもそういう場所を探しているとして、この高さの地点を選ぶ事は考えづらいです。
という事で全体を見て、危険度が高い場所のみに絞って設置しているように感じました。
海上の橋で潮風の影響もうけるでしょうし、必要最低限に絞っているのではないでしょうか。そのような事例が多いのなら、橋全体に金網をつけた方がと思うのは素人考えなのかもしれません。