岡山県統計分析課が2023年10月1日時点の人口をまとめた「2023年岡山県人口の動き」を公表しました。
なかなか興味深いデータなので、ちょっと読み込んでみました。
人口が増えた自治体3選
前年比で人口が増えた都市3選…というより、3つの自治体しかプラスはありません。
人口減の時代なので増える方が珍しいという事でしょう。
3位:奈義町 +7人
奈義町の軌跡として特殊出生率が話題になる事が多い町です。
良き届いた子育て支援が功を奏しているのでしょうか。
奈義町の特殊出生率については別の記事で触れているので、そちらもご参考下さい。
2位:総社市 +33人
総社市が1位と思った人が多いと思います。
カリスマ的な存在として市外、県外でも高い知名度と人気を誇る片岡市長がおり、SNSを見ていると片岡市長に惹かれて総社へ移住したという声もあるほどです。
市としては子育て支援に力を入れている事がアピールされがちですが、個人的には企業誘致が上手く進んで求人が豊富な事が大きいかなと思いました。
1位:早島町 +84人
岡山の交通の要衝です。岡山市、倉敷市へのアクセスがいい事から、県内の二大都市のベッドタウンになっています。
町内に企業の拠点を幾つも有する事から自治体としても裕福で、子育て支援なども手厚い内容になっています。
また早島町が発行する「第2期 早島町人口ビジョン」の中では、高齢の方が住み続けたいと思う理由に医療機関に行きやすいという事を挙げている人もいました。
ベッドタウンとしての立地の良さは、そういう恩恵にもつながるのですね。
各種政策のアピールなどに関してはさほど目立つことが無い早島町が一位でした。
やはり便利が良い場所なのは強みですね。
全市町村の人口の動き
ニュースでは上位3市町しか扱っていなかったので、全ての自治体の動きを簡単に見れるように表を作り直してみました。
これが全市町村の人口の増減です。三つ目の数字が減少の割合です。単純な下落幅で見ると都市部で人の出入りが激しい岡山、倉敷、津山の数字が大きくなってしまうので、割合で見た方が正確かもしれません。
ついでに表にソート機能を付けたので、減り幅が広い自治体も見てみましょう。
…高梁市がピンチです。
私は高梁に行く事が多いのですが、確かに地元の人からは人口減の話題をよく耳にするんですね。
それが数字でも確認できたところです。
高梁市の作る「高梁市過疎地域持続的発展市町村計画」では市内に仕事が少なく、若い労働力が市外に出てしまう事が挙げられています。
岡山市、倉敷市、福山市といったある程度の規模の都市からも離れており、市内から通うのが難しくて市外に出てしまう…という流れでしょうか。学園文化都市を掲げている市が、その学生を取り込めずに流出させてしまうのは皮肉な感じがします。
続いては県北部の市町村が続きます。
高梁、備前がやや高い数字になっていますが、基本的には県北部の人口減が大きく、県南部はやや少なめといった傾向にあります。
しかし原因が分析されているのであれば、後はそれを補うだけです。高梁は土地の確保と企業誘致を頑張っていけば必ず息を吹き返しますよ!