岡山市東区~瀬戸内市にかけて邑久郡八十八か所というミニ八十八か所が整備されています。
ミニ八十八か所は全国各地にあり、四国の八十八か所を小規模で再現しています。現在のように交通手段が発達していない時代、四国への旅は経済的な余裕だけではなく、体力的にも充実していなければなりませんでした。
それが難しい人が同様のご利益が得られるようにと、各地で作られたのがミニ霊場、ミニ八十八か所と呼ばれるものです。
さて、東区水門町を散策していてその内の一つを見つけました。
水門町は西大寺の区域ですが、西大寺も市になるまでは邑久郡に所属していました。
こちらの大師堂です。
石垣の上にある建物が札所です。
なかなか立派な作りです。
七十番札所です。
この扇形の木札はそれぞれの札所に設置されています。先にブログ記事にした亀石神社のそばにもありました。
古い年代の物から建物を整備しなおした際に新調された物もあるようで、この木札を郷土史の研究に活用している方もおられます。
七十番札所にはそれ以外の名称は無いようです。
ミニ八十八か所を整備する際は四国八十八か所の形に似せるようにしており、既存の寺院でそれが難しい場合は新たに庵のようなものを設置します。しかし邑久郡八十八か所については大半が新たに設置されたものではないでしょうか。
マップがありました。
地元の地形に合わせている部分と、四国の霊場に合わせている部分が共存するようなルートです。
邑久郡史によるとルートは南北で二つ整備されています。重複部分があるのかは未チェックですが、170以上の札所があるという事でしょうか。これは凄い。
そしてミニ八十八か所では定番の、本場四国八十八か所と同番(七十番)の札所の写真です。
札所によっては地元の人の集合写真があったりして、なかなか興味深いものです。無い札所も多いですが、ミニ八十八か所巡礼の楽しみ方の一つとして覚えておいて損はありません。
ちなみに本場の七十番は香川県三豊市にある本山寺様です。
写真にある五重塔も有名ですが、それ以上に本堂が国宝に指定されている事で知られます。
建立はなんと1300年で、墨書きによって立証されています。こちらも興味がある方はぜひ行ってみて下さいね。