少し前にサイトの資料として「実写!日本恐怖100名所」という、全国の心霊スポットを紹介する本を購入しました。
1978年出版の本ですが、せっかく購入したので幾つかスポットを紹介してみたいと思います。
死を招く墓地の怪(徳島県)
徳島県にあった麻植郡(現・吉野川市)での怪談。
月に一度、村の共同墓地に墓掃除をしている幽霊が出てきます。
その幽霊は村内の者の家の血縁者で、近い内にその家では死者が出るというのです。
血縁者が出迎えの準備をするのでしょうか。
場所は「S村」とされていますが、実はこの本が出た時点で麻植郡にSから始まる村は存在しません。
合併などにより消滅した旧自治体名で呼ばれることを考慮して町村制施行時の旧村名も確認しましたが、S村はありません。
それ以前まで遡ると敷地(しきじ)村、山路(さんじ)村が存在しますが、1889年に消滅した村を1970年代に村と表現するのは不自然です。
著者がスポットをぼかすために故意にSとしたのでしょうか。ミステリーです。
祟りの伝説は生きていた(高知県)
高知県高岡郡にあった東津野村(現・津野町)の風神鎮塚についての怪談です。
この塚は中平善之進という江戸時代の庄屋を祀っています。
彼は問屋の不正を訴える為に一気の指導者となります。その訴えは認められたものの、一揆を率いたことを咎められ彼自身も打首になります。
その首は切られた際に高く舞い上がり、落ちた場所にある岩に噛み付いて離れなかったと言われています。
死後に暴風の被害が発生し、毎年命日前後になると暴風が発生するようになった為に善之進の祟りと考えた人々が築いたのが風神鎮塚と名付けられた供養塔です。
時代は進み1977年。
国道の改修工事のために塚を動かすことになりましたが、この時にショベルカーで塚を掘り起こすと、塚からツボが飛び出してきました。
それが転がる様子は、まるで善之進の最期のように首が飛び出してきたかのようだったそうです。
更にその作業をしていたショベルカーは故障して修理不能になったのだとか…。
津野町には力強く風を起こすようなポーズの善之進の像が築かれています。
この件は高知新聞の昭和52年11月28日で「善之進のたたり?」として扱われています。
という事で今回はここまで。普段は3記事を1記事にしていますが、中国地方編が少なくもう後2記事で終了なので次に2記事を回して中国・四国地方編を終わりにします。
同書の他の記事はタグ「実写!日本の恐怖100名所」で確認していただけます。