保育士の「復帰遅れ」訴訟、棄却 地裁判決 岡山市の責任認めず(https://www.sanyonews.jp/article/1020425?rct=jiken_jiko)
2020年6月10日に岡山地裁で、岡山の市立保育園に勤めていた女性がハラスメントで退職した後、復帰が遅れたのは市が適切な対応を怠ったためとする裁判が行われました。
地裁は市の対応が適切だったと判断し、女性の請求を棄却しました。
この記事が一度読んだ時にはよく判らなかったのですが、どうやら下記のような感じのようです。
・女性は岡山市立の保育園に勤めていた。
・同僚のハラスメント(嫌がらせ)行為で病気になり、休職した
・市は職場の改善を実施し、女性に元の職場へ復帰できるように進めた
・女性は病気再発の危険性がある元の職場への復帰は望まなかった
・結局、女性は別の保育園に勤務する事になった
・市が元の職場への復帰を進めた事で職場復帰が遅れた期間の給与など340万円の損害賠償を求めて訴訟を起こした
つまり市は元の職場に戻る事を前提に考え、対する女性は元の職場へ戻る事は考えられなかったという事ですね。
確かに元の職場へ戻るのは気まずいですよね。
どの保育園かは判りませんが、基本的にはそれほど大規模な施設ではないでしょうから、休職のきっかけとなった人々と接する事は避けられません。
しかも市立の保育園は複数あるわけですから、別の職場にして欲しいと願うのは理解できるような気がします。
そして市のスタンスは下記の通りです。
・市の調査では勤務していた職場で違法な言動(ハラスメント)があったとは認められない
※「主観的な認識は別にして」という但しがあります。
・女性の休職を受けて職場環境の再考・改善を行っていた
1つ目に関しては市も主観的な認識は別としてとしてある通り、難しい部分ですよね。
何がハラスメントなのか?は人によって違います。
例えば「〇〇さん、あれ忘れてたよ。気を付けてね」という言葉が、人によってはハラスメントな発言に聞こえるかもしれません。
2つ目の方が今回の争点でしょう。
戻れるように整えたという市と、戻れないという女性。
この辺りはもう少しコミュニケーションが取れていたら良かったのかな?とも思います。
元の職場に戻そうとする事が良いのか悪いのか。
これは岡山市に限らず、様々な団体、企業にとっても注目すべきポイントでしょう。
女性は控訴も視野に検討するとしています。