赤磐市の熊山駅の近くでレトロな看板がありました。
最近では見かける機会が減ってきたホーローの看板です。
駅前の人が行き来する場所という事で設置されたのでしょう。良くも悪くも駅前の開発が進まなかったので生き残っています。
編機はアルス、イルガピリン
ではまずこちら。
左側から行きましょう。
「編機はアルス」とあるのは静岡県のアルス編機です。
ネットで検索してみると昭和44年の「浜松経済レポート」のPDFがヒットしましたが、その内容は芳しいものではありませんでした。
その年にアルス編機は編機の生産から撤退、プレス業の下請けをして延命している状況に陥っていました。新型機の開発が凋落の原因で、最盛期に150人もいた工場がこの時点で20名足らずとされているので、既に危うい状況を把握した従業員らが去ってしまっており、記事内では倒産の可能性も市示唆されています。
最盛期には年6万台を販売、アルス織機の機種を用いている編み物教室が百数十もありました。自身でもアルスアミモノアカデミーという教室を運営していたそうです。
遠く岡山の地にも看板があるくらいなので、全国規模で販売されていたのでしょう。この後のアルス織機の動向については判りません。
ネット上で同名の会社はありませんが、静岡県焼津市には日本アルスという会社があります。何かしらかかわりのある会社なのかもしれませんね。
続いては「イルガピリン」。
社名は右上に小さく表示されているだけ。ここまで製品名に特化した看板も珍しい気がします。
藤沢薬品工業、現在のアステラス製薬の前身です。
イルガピリンに関してネット検索すると服用上の注意に関する1950年~1960年代にかけての記事がヒットします。
看板もそれくらいの時期の物でしょうか。
電動井戸ポンプと菅公学生服
もう一枚の方はどちらも今も良く知られる会社です。
左側から行きましょう。
「電動井戸ポンプ」は東芝の製品です。
最近では会社の存続さえ話題になるようになりましたが、東芝の製品ですね。
文字通り井戸水を電動で引き上げる機械です。同社は2012年3月まででポンプ事業からは撤退しています。意外と最近まで作られていた事に驚きました。
国内の有名メーカーだと日立が今も製造しています。わりと需要があるものなのですね。
隣の菅公は学生服メーカーのトップブランドである菅公学生服です。カンコーの表記もよく知られていますね。
ブランド名が大きく出て、製品の学生服、シャツは小さく書いてあるだけです。さすがのブランド力ですね(笑)
元々は倉敷市児島地域の会社で、現在は岡山市に本社を移転しています。
県内の有名企業という事もあってか、あちこちに散策していると菅公のレトロ看板を見かける機会は多いです。
…という事で、以上4つのレトロ看板を紹介しました。
当時の人気商品、主力製品などが知られて面白いですね。こういう看板もいつまであるか分からないものです。興味がある方は早めにチェックしてみて下さいね!