少し前に浅口市の円珠院が保有する人魚のミイラについてのニュースが話題を集めました。

上半身は赤子のような人の形をしていますが、下半身はまるで童話に出てくる人魚姫のような魚の尾のような形状になっています。
江戸時代に高知県で漁師の網に掛かったもので、人魚の干物と伝えられています。
人魚に関連する遺物は他にも伝わりますが、全国でも初と言われる本格的な科学調査が行われる事になり注目を集めました。

…で、その結果が報じられました。

その正体について引用します。

頭には哺乳類の体毛が付けられ、口は魚の上下のあごが使われていた。上半身の内部は綿や布が入っていて、表面にフグの皮や和紙と石こうを混ぜたとみられる紙を重ねるなどしてあった。下半身は中身をくりぬいたニベ科の魚で、全体が砂や墨で黒く塗られていた。(時事通信)

生物の部位を使った人形でした。
日本でも人魚は古くから信じられていました。かつては凶兆として考えられていた人魚の存在が、江戸時代には吉兆に変化していきました。
ミイラが作られた時期も江戸時代後半と見られているので、縁起物として作られたのではないでしょうか。
今回の調査で神秘性こそ損なわれましたが、貴重なものであるのには違いはありませんし、当時の人々の信仰の対象であったことを考えれば仏像のようなものであるとも言えるでしょう。今後も寺院で大切に管理されていくようです。

さて。
科学技術の向上により、様々な伝説が科学的に解明されています。
それは非常に興味深い事でありますが、結論はいつも若干の寂しさを含みます。ごく個人的な考えとしては、余り積極的に調べる事もないのではないかと。全く科学的ではない考え方ですが、次の世代に未解明のロマンを幾つか残しておいても良いのではないでしょうか。




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