玉野市八浜町に学生服メーカー・トンボの玉野本社工場があります。
トンボは現在、岡山市に本社を置く企業です。その本社工場が遠く離れた玉野市にあることを不思議に思った人もおられるでしょう。
玉野市はトンボの創業の地であり、本社工場は元々の本社の所在地でした。
しかし1974年に本社は岡山市に移転します。この時に移されたのは事務機能のみで、本社工場としては元々の場所に残されました。どうやらこれが本社から離れた場所にある本社工場の理由のようです。
尚、本店所在地は現在も本社工場である玉野市八浜町に置かれています。
これが実際の工場です。
近代的な外観の建物ですが、敷地内には幾つか昔ながらの建物が残されています。
一番目立つのが正面玄関の脇にあるこの建物です。
もう工場としては稼働していないと思いますが、この場所に残されているという事はトンボの歴史において重要な建物なのでしょう。
よく手入れされているのが遠目にも伝わってきます。
横から見るとのこぎり屋根であることが分かります。
のこぎり屋根は工場の広い敷地に出来るだけ採光する為の工夫です。屋根をのこぎりのような状態にすることで、より多く日差しが工場内に入るようになるのです。
本社前には「トンボ前」のバス停もあります。
私の母は結婚する前にここで働いていました。当時の社名はテイコクです。
トンボを会社名にしたのは2006年のことですが、子供の頃に母が勤めていた会社の思い出話を聞くたびに物騒な名前の会社だなと感じたことをよく覚えています。
その思い出話の中に「オトシ君」という営業社員が出てきます。
この人物が後に会社の代表取締役に任命される落司量則さんだと知るのは、もう少し後のことでした。
最終学歴の違いで年齢は「オトシ君」の方が上ですが、同期だったそうです。