備中川面駅から方谷駅方面を目指して進んでいると、立派な鉄橋に行きつきました。
自然豊かな一帯に突如として現れる人工物。
これが現地で見るとメチャクチャカッコ良かったのです。
橋のすぐ近くに解説の看板があり、田井橋という橋である事が分かりました。
車の通行は可能ですが、最近の幅のある自動車だと行き違いは怖そうです。
それもそのはずでまだ自動車の普及していない1937年に建造された橋です。
ただし当時としては将来を見据えた大き目のサイズで作られたそうです。
当時の想定以上に自動車が増え、そして大型化していったのですね。
この橋が架けられた経緯については興味深い理由があります。
元々この地には旧橋が架けられていましたが、それは室戸台風で橋脚が流されて破壊されてしまいました。
その後で新たに作られたのがこの橋です。
冒頭の写真を見て頂ければ分かると思いますが、田井橋は川の中に橋脚を立てていません。
橋の辺りで高梁川が大きく曲がっており、その為に洪水が起こると水量と勢いが増してしまうのです。旧橋の橋脚もその為に流されたようです。
そこで田井橋は陸地側にのみ橋脚を作るという対策を取ったのです。
余談ですが室戸台風では岡山県各地でも多大な被害を出し、壊れてしまった橋は他にもあります。
それらの多くが田井橋と同時期に復旧されており、その為にこの時期に作られた橋は同じような形状の物が多いそうです。
よそで古い橋を見かけたら、建造年やデザインもチェックしてみてくださいね。
関連リンク:田井橋について(岡山の街角から)