少し前にサイトの資料として「実写!日本恐怖100名所」という、全国の心霊スポットを紹介する本を購入しました。
1978年出版の本ですが、せっかく購入したので幾つかスポットを紹介してみたいと思います。

死界に通じる大菩薩峠(山梨県)

塩山市の大菩薩峠の怪談です。
入ると遭難して出てこられなくなるという大菩薩峠。
この本の中では半月も遭難したという方の体験談が綴られています。

仲間三人と写真を撮りに峠に入ったアマチュアカメラマン。
午前中は晴天にも恵まれて快調に写真を撮っていたものの、午後になって急に霧が出てきます。
視界が1mも無いような状況で、仲間とはぐれてしまいました。
持っていた食料を食いつないでなんとか脱出まで生き延びたものの、その間に9つの白骨を見たのだとか…。

これが実際の大菩薩峠の様子です。
登山道はしっかり整備されています。ここで失踪してしまう人がいることについて、ネットでは入り込むと出られなくなる樹海のような場所があるのではないかとの意見が見られました。

ところでこの本には解説がない一枚の新聞記事が掲載されています。
この一家六人、消えて一ヶ月
どうやら大菩薩峠で疾走した一家についての記事のようですが、なぜかそれほどの大きな話題であるにも関わらず、一切触れていない事の方が不気味に感じられました。

おむつ塚のたたり(山梨県)

山梨市一丁田中のおむつ塚についての怪談です。

この地にかつて好色の地頭がいて、嫁入りする娘があれば家に招いてつまみ食いをしていたそうです。
ある時、それを必死に拒んだおむつという娘に怒った地頭は監禁して拷問を行い、最終的に生き埋めにしてしまいました。

その事実をしった母親は生き埋めの目印に置かれていた石に呪いをかけました。
すると地頭の屋敷では異変が起こり始め、地頭はついに発狂して家族や家臣までを皆殺しにして、挙げ句に自害しました。

おむつ塚は祟りを鎮めようと子孫が生き埋めにされた場所へ築いたものですが、その一族は後に勃発した財産争いの為に絶えてしまいます。
屋敷の跡ではその後も天井が落ちるなど地頭が経験した怪奇現象が起こったという言い伝えがあります。

最近では人気YouTuberのはじめしゃちょーさんが余りの恐怖に行くのを断念したという動画で知られるようになりました。

まだ嫁入り直前に惨殺されたおむつ、そしてその母親の呪いは解けていないのかもしれません。

登山者にとりつく亡霊(長野県)

安曇村(現・松本市)での怪談です。
穂高岳へ向かうために涸沢と横尾の中間地点の岩小屋(※積み重なった岩の下が洞窟のようになっており、小屋のように使用できる場所)でテントを張っていた3人のもとへ、外から横尾への行き方を問う声がした。
説明してあげる為に地図を持ってテントの外へ出てみると、そこには誰もいませんでした。

テントにいた3人が聞いていたものの、仕方ないのでそのまま眠りました。
すると夢の中で死者の亡霊に追われる夢を見たというのです。
しかも同じテントにいた3人だけではなく、近くでテントを張っていた別のグループの2人までも…。

後に調べた所、その岩小屋ではかつて岩雪崩が起きて5~6人の男が死んでいたそうです。
岩小屋は横尾から涸沢に入る横尾谷の右岸にあるそうです。
googleマップで見てみると横尾岩小屋跡というスポットが登録されています。
(岩小屋はマップで見える藪の向こうにある)

場所がここで合っているかは不明ですが、涸沢寄りで右岸側という立地や本にある「現在は使われてはいない」という記載には合致します。

…と、長くなってきたので今回はここまで。
また徐々に追加していきましょう。

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