ある資料を読んでいると1960年代に岡山県で真珠の養殖が行われているような記載がありました。
それについて少しだけ調べてみたのでご紹介します。
まず岡山県で行われていた真珠の養殖は、実は岡山県の漁師が主体で行った訳ではありません。
これを行っていたのは三重や和歌山の漁師です。
写真は九十九島ですが、かつては岡山でもこのような養殖風景が見られたのでしょう。
岡山の海の気象条件が良いという事で化粧巻き漁場として使用していたそうです。
岡山県側には水面の使用料が入るのと管理に必要な人員を岡山で雇うというメリットがあり、どこの漁協もおおむね好意的に受け入れていた様子。
1960年の真珠研究会の会報に岡山での真珠養殖について記載があります。
http://jp-pearl.com/wp-content/uploads/2017/12/032_05_02.pdf
↑のPDFファイルの76ページ(会報のページではなく、ファイルのページ)に「岡山県真珠養殖業の現況」という記事です。
それによると1957年から始まったそうです。
同会報によると県内の三大河川からの水の流入の影響で、冬は難しいという条件の為に岡山県では真珠養殖が盛んにならなかったようです。
しかし三重や和歌山の県外の業者が行うなら春~秋という条件でも問題なかったのでしょう。
「(昭和)35年度は50万個を施術」とあるので、順調の推移していた様子が伺えます。
しかし真珠の価格下落が起こり、それらの業者は岡山県から撤退していきました。
厳密な年数は判りませんが、文章の感じからは10年も続かなかったような感じを受けました。
もし上手く続いていてれば「岡山真珠」のようなブランドも生まれていたかも知れませんね。