玉野市の十禅師山の中腹にある日吉神社に行ってきました。
恐らく訪問は7年ぶりくらいです。
玉野市の日吉神社は十禅寺山の中腹に隠れるようにある神社です。
関連リンク:十禅寺山(岡山の街角から)
かつては門前町を形成し、市外からも参拝者が来るような場所でしたが、自動車が入っていけない立地の悪さから衰退して現在に至ります。
自動車で行けるのは十禅寺山の九合目までで、後は徒歩で進むことになります。
道は決して良いとは言えず、上の写真のような荒れた竹林の中を進みます。
竹林の状態は以前に訪れた時もよくありませんでしたが、今は更に悪化しているようです。
潰れてしまったと思われる建物跡。
その付近は頭上だけではなく足元にも気を付けないといけません。
残っている建物もありますが、既に時間の問題といった趣きです。
後何度か台風が百済、更に竹が倒れ掛かって建物を倒してしまうのでしょう。
尚、この建物は倉庫のような使われ方をしていたようですが、既に入り口の周辺も竹林化していて中に入るのは非常に難しそうです。
このような道を歩いて、一角だけ綺麗に整備されている辺りが日吉神社です。
この鳥居周りの玉垣などの立派さから往年の信仰の厚さが伺えます。
虫よけのご利益で知られたそうで、農家の方が良く参拝に訪れていた事が記録に残っています。
社殿の周りは現在でも氏子の方が整備を続けていて、綺麗な状態が保たれています。
山中の自動車も入り込めないような場所にあるとはとても思えない、立派な社殿です。
実は訪れた日はお祭りが近く、地元のご夫婦が2人で準備をしている所でした。
とても気さくな方で色々なお話を聞かせて頂きました。
元々は神社の近く、先ほど紹介した竹林の辺りにも何軒かの住宅があったそうです。
そして彼らが中心となってしめ縄などのお世話をしていました。
しかし段々と便利の悪い山から離れて行ってしまい、現在は麓の集落でお世話をしているそうです。
その氏子も2地区で30世帯ほど、高齢な方も増えてきて今後のお世話には不安もあるのだとか。
実際にこの日ももう1組が来る筈が、急にキャンセルになったそうです。
実はそのご夫婦は軽トラで境内に入ってきていたので、道があるのか聞いてみました。
すると…、
道じゃねーよ、それ。
…とは、さすがに言えませんでしたが。
人間が上がってくる山道をギリギリ四駆の車なら上がってこれるそうです。
ちょっと怖いですね…。
ちなみにご主人の四駆はこちら。
…軽トラ。
なので自動車で上がってくることは全くお勧めできません。
そもそもこの山道は人間でも滑りそうな道です。
ご夫婦はなんなら手を振りながら帰っていきましたが…。
舗装路でもありませんし、不慣れな人に上がってこられる道ではありません。
まるでテレビ番組のポツンと一軒家のような風景でした。
ところで児島半島ではイノシシによる被害が増えています。
住宅地にも下りてくるほどなので、山の中の被害はもっと甚大です。
玉垣などもかなり倒されており、写真の灯籠が壊れているのもイノシシの仕業なのだとか。
普段は人のいない神社はイノシシたちにとっても居心地のいい場所なのかもしれません。
今は寂れてしまっているとはいえ、玉野にある神社の中でもかなりの名門です。
何とか公的な援助によって対策が打てないのでしょうか…。
ところでご主人は自身も竹林を持っているそうなのですが、タケノコなどは電気柵などをしないと根こそぎ持っていかれてしまうそうです。
この時のご主人の良い方がとても素敵だったのでご紹介します。
「あいつら全部食べてしもうて、ワシらに分けてくれんのじゃ」
これ、凄く良いですよね。
自分の竹林だと、自分のタケノコだと主張するのではなくて、分け合うものなのだという考え方。
まさか山の中で人に会えるとは思ってもみませんでしたが、とても素敵な出会いでした。
いつか機会があれば、またお会いしてみたいなと思いました。
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