倉敷美観地区にある鶴形山隧道をご存知でしょうか?
観龍寺の真下の辺りを通っており、美観地区の中でもわりと目立つ場所にあります。
ご覧の通り、年季の入った隧道です。
1928年竣工、幅が昔の車の基準なのでしょうね。
正直、歩いている横を車が通るのでも好ましくありません。
しかしこの隧道には気軽に新しくしましょうとは言えない歴史があります。
美観地区側のトンネルの入口にこのような銅版が貼ってあります。
鶴形山隧道は大正15年に当時の倉敷町に皇太子(後の昭和天皇)が訪れ、それを記念して建造が決まったトンネルです。
大正の終わり頃は天皇は体調を崩しており、皇太子だった昭和天皇が実質的に天皇として公務をこなしていました。
なので現在の感覚での皇太子が訪れたというのとも、少し違った感覚だったのかもしれません。
なにか形を残るものをということで、実用的なトンネルを造る辺りに豪快さを感じますね。
昭和46~47年にかけて改修工事が行われており、その時の銅板もあります。
ぜひ美観地区を通る際は、そんな歴史も含めて見学してみてくださいね。
本文中でも触れている通り、幅が狭いので実際に通る際は車でも、歩いてでも、充分にお気をつけて。