浅口市~里庄町へ向かう国道沿いで以前から気になっていた建物があります。
それがシャトーというホテルです。(注:2022年に取り壊されました)
昔ながらのコンテナを再利用したカラオケボックスの残骸が転がっています。
見た目からラブホテルっぽい雰囲気を感じます。
鴨方町を散策した際に横目でがっつり眺めながら、さりげなく前を通ってみました。
…が、どうもホテルの入り口が見当たりません。
シャトーの入り口は道路からみて、反対の土手道側にありました。
ラブホテル系の建物なら、大通りに面した入り口ではないのは当然かもしれません。
国道とフジコー山陽工場の間の道を進めば、ホテルの入口へ辿り着きます。
建物もこちらからの方が見やすくて、お城のようなデザインの建物なのが判ります。
この建物はあちこちに「ラドン温泉」という文言が書いてあります。
ラドン温泉は浴槽内にラドンガスを送り込む方式の温泉です。
身体が温まり易い事が特徴で、体を外から温めるサウナに対して、中から温めるラドン温泉と言った例えをしている記述も多く見られます。
ブームは1970~1980年代ごろです。
恐らくその時期に営業をしていて、施設の売りの一つにしていたのでしょう。
建物の入り口にもラドン温泉の文字がありました。
その隣にはバリケード用に置いたとみられる軽トラックがあります。
7代目のダイハツ・ハイゼットでしょうか。
この軽トラックの前に置かれている看板はこの写真では見えませんが、部屋番号を書いてあります。
恐らくモーテルタイプのホテルだったのでしょう。
日本ではめっきり見かけなくなりましたが、海外ドラマや映画が好きな方は、部屋の目の前に車を駐車して利用するタイプの宿泊施設をご存知かと思います。
それがモーテルと呼ばれるシステムです。
日本では他者と顔を合わせる機会が少なく出来るメリットを活かして、ラブホテルに採用される事が多かったのです。
タウンページのラブホテルのカテゴリーがモーテル・カテゴリーなのはその名残です。
↓ネットのタウンページでも下記のように現存しています。
モーテルでは、ラブホテル同様に施設の係員とも顔を合わせなくて良い目隠し付きの受付などが採用されていました。
部屋に直接入るので、他の客と出くわす事もありません。
しかしこの匿名性の高さが、逆に犯罪の温床となる事もあったようです。
そうした問題や、法規制などもあり日本のモーテルは徐々に数を減らしていく事になります。
さすがに敷地内に入るわけにはいかないので、塀越しの判りづらい画像ですが、ここが駐車場です。
車を停めて隣側にある部屋に入るというシステムだったようで、一階は部屋~駐車場~部屋~駐車場といった造りになっています。
なかなか興味深い建物を見学出来ました。