岡山県津山市、美作大の公立化含め検討 20年度早期に有識者会議(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200218-00010000-sanyo-l33)
津山市が美作大学の公立化を含めた検討に入っている事が判りました。
この動きは2017年から始まっています。
そもそもは大学を設立する事への検討で、高校卒業時点の若者の市外への流出を抑える目的でした。
その中で出てきたのが私立の美作大学の公立化です。
美作大学を運営する美作学園も学園の将来的なビジョンとして、津山市立を軸に検討を進めています。
2020年度の早い内に有識者会議を立ち上げ、具体的な検討に入る予定です。
同市では学校法人作陽学園の大学が1996年に倉敷市へ移転し、高校も倉敷市へ移転する事になっている事から、これ以上学校が減る事態を防ぎたいという思いも強そうです。
進む私立の公立化
私は余り知らなかったのですが、県外では既に私立の公立化の事例が出ているそうです。
調べてみたところ、ここ10年の内(2009~20019年度)に公立化した大学は下記の10例です。
・高知工科大学(高知県)
・静岡文化芸術大学(静岡県)
・名桜大学(沖縄県)
・公立鳥取環境大学(鳥取県)
・長岡造形大学(新潟県)
・福知山公立大学(京都府)
・山陽小野田市立山口東京理科大学(山口県)
・長野大学(長野県)
・公立諏訪東京理科大学(長野県)
・公立小松大学(石川県)
半数が公設民営大学ですが、既に流れが出来てきていると言っても過言ではないでしょう。
少子化で学校運営はビジネスとして難しい局面を迎えているようです。
しかし、そこに学校があるだけで充分か?
ここからは自分が高校生だった頃を思い返しつつの私的な意見です。
私は玉野市出身で、進学向けのコースにいました。
市内には医療系の専門学校があるのみで、大学や医療以外の専門学校へ進学する際の通学圏内としては岡山市と倉敷市になります。
宇野駅から岡山駅までの所要時間は45~54分なので、通学が難しい距離ではありません。
…が、同じように進学コースにいた7~8割の学生は県外に出ました。
個人的には市内に大学があってもこの数字は大きくは変わらないと思います。
答えは単純で、都会に出たいんです。
冗談のように思われるかもしれませんが、これはやはり大きいです。
都会の方が田舎暮らしに憧れるというのはよく聞きますが、田舎に暮らしていれば都会に憧れます。
玉野も、玉野よりは栄えていますが津山も、もっと色々なお店があれば、もっと夜でも楽しいお店があれば…そんな憧れを抱く程度の規模の市です。
大学進学はそれを実現する為の大きなチャンスです。
もちろん真面目な理由で言えば、大手への就職を希望する場合は大企業の本社が多い東京、大阪辺りへの進学は就職活動においても有利です。
もちろん大学がないよりはあった方が引き留める力にはなります。
しかし大学の有無だけで若者の流出は抑えらるものではありません。
月並みですが「ここでずっと暮らしたい」と思える街づくりこそが、最も求められる物であって、学校というのはそのパーツの一つに過ぎないのではないでしょうか。
私も高校は玉野市内でしたが、進学先は関西方面でした。都会に出たい、というのは地方在住者として分かる気がします。
玉野も、高校生が遊んだり買い物したりするような場所はほぼありませんから……。
公設民営化は民間の学校経営が厳しくなって、ということもあるでしょうが、少子化が進む中で大学が増え過ぎたこともあると思います。
比較的歴史の浅い大学(新設や短大からの改組)や、小規模な単科大学は本当に厳しいと思います。
地方自治体は「地元の大学があれば若年層の流出を防げる」「地域の活性化につながる」と唱えますが、その先の「働きたい」「住みたい」町でなければ、地元を離れるタイミングが高校卒業か大学卒業かの違いにしかならないと思います。
これは個人的な意見ですが、地方出身者は進学にしろ就職にしろ、一度は地元を離れるという経験をした方がいいと思います。学歴がうんぬんというわけではないですが、地元しか知らない人間と、外の世界(大げさな言い方ですが)を知っている人間の間には、考え方や価値観に大きな相違があるような気がします。
公設民営化の流れはしばらく続くのでしょうが、先行きについて私はは否定的です。
税金を投入している大学に地元の学生は進学しない、もっと言えば留学生で定員を充足させる、という本末転倒な結果になるような気がしますので。
コメントありがとうございます。
一度は地元を離れた方が良いというのは賛成です。
自分の価値観だけが全てではないという事を学ぶのには、やはり違う土地で過ごすのが一番良いです。
離れたら戻ってきてくれないという状況に取り組むほうが建設的な気がします。
身の回りでも「玉野に仕事があれば帰ったんだけどなぁ」という声はよく聞きます。
津山市が単に市内に大学を残したいという事であれば、それは良いと思います。
しかし若者を残したいという気持ちで取り組むのであれば、ややズレているのではないかな?と感じました。
大学の行末は、よほど工夫をした学校づくりに取り組まない限り、仰られる通り最終的には留学生主体になって行くと思います。
そして留学生が増えすぎて、それを税金で運営するのは如何なものか?という議論が出て、最終的に廃校…そのような流れになりそうですね。
来年度中に行われるという有識者会議の内容に注目していきたいと思います。