はるやまHD 本社屋、土地を売却 28日付、譲渡益2.4億円(https://www.sanyonews.jp/article/1533205)
紳士服大手のはるやまホールディングスは28日、本社の社屋と土地を国内の不動産会社に売却し、譲渡価額から帳簿価額を引いた譲渡益が2億4千万円になったと発表した。
本社機能の移転先は未定ながら12月に同市内で移る計画で、それまでは準備などのため現社屋を借りて使用する。
はるやま商事、本社売却へ…
岡山県に本社を置く全国区の企業の一つ、はるやま商事。
2024年3月28日に本社の社屋と土地を国内不動産会社に売却する事を発表しました。
この不動産会社は続報で明らかになっており、穴吹工務店が取得しました。同社は本社の建物を解体した後にマンションを建造する計画です。
表町の名物が1つ失われてしまいます。
これによって財務体質の改善を伺うはるやまですが、なんと現時点で本社の移転先が決まっていません。
岡山市内に12月移転予定という事だけ決まっていますが、これは社屋を購入した穴吹工務店との約束事になっているのだと思われます。
はるやま商事は紳士服の業界の中で、コロナ禍から回復しつつあるものの、他社と比べるとその推移は随分とゆるやかです。
売り上げが戻るのを期待するより、先に本社の売却などの現金を得るカンフル剤が必要になったのでしょう。
移転先はどこ? もう玉野に帰って来いよ!
さて気になる移転先ですが、岡山市内という事だけが公表されています。
12月には移転と余り余裕のないスケジュールなので、ある程度のめぼしは着いているのでしょう。
店舗開発用などで確保した土地に新社屋…と言った流れの可能性もありそうです。
しかし。
私はあえて市外への移転を提案します。
なぁ、治山。玉野に帰って来いよ。
はるやま商事は玉野市玉の商店街(現・らんぶる通り)で創業した洋服店から始まりました。
創業者は2022年に逝去した治山正次さんです。この玉のお店ははるやまとして展開していくのに合わせて、90年代ごろまではるやま玉野店として存続しました。
現在は玉野市宇野に移転しており、その後も建物は残され続けています。
この建物は写真だと小さく見えるかもしれませんが、意外と奥行きがあり、しかも三階建てです。
AI技術により本社に入るような事務系を担う部署はこれから先は人数は必要なくなってきます。それならこの建物でも充分に間に合うはずです。
伝染病の流行という未曽有の危機で財務体質の見直しを迫られている状況からの第一歩が創業の地なんてロマンティックじゃないですか。
店内は天井が剥がれ欠けていたり、やや手直しが必要そうですが全体的に綺麗な状態が保たれています。
はるやま商事がずっと所有しているはずなので、ここに移転ならリフォーム代だけで済みます。
有名なエピソードがあります。
玉のお店で治山正次さんが洋服店を営んでいた頃、深夜に急にスーツが必要になったお客さんがドアを叩きました。
夜中に失礼な客だ、営業時間に来てくれという事も出来たでしょう。しかし治山さんはきちんと対応し、スーツの採寸をして間に合わせたそうです。
量販店の運営、店員になってしまっているはるやまに、今こそ必要なのはそういうお客さん一人ひとりに向き合う精神なのではないでしょうか。
それを学ぶ場として、創業の地はとてもいいと思います。だから、帰って来いよ(笑)