失われた御札の家と、昨今の心霊スポット事情を憂う


倉敷市の由加山に「御札の家」と呼ばれる建物がありました。
古くから岡山県では定番の心霊スポットとして知られており、もちろん私が子供の頃にもよく知られていました。

倉敷市と言っても由加なので、私の住む玉野からも近い地元の怪談です。
関連リンク:御札の家

在りし日の御札の家(無断転載禁止)

それが2022年2月頃に取り壊されました。
YouTubeにはその時にたまたま訪問していた人の動画があります。

投稿者は気づいていないようですが、工事をしているその場所が取り壊されている御札の家です。

ここ数年は動画共有サイトYouTubeなどへの投稿が相次ぎ、それに伴って遊び感覚で訪れる人が後を絶ちませんでした。
地元の知る人ぞ知るスポットがネットの地図上にマーカーをされ、全国各地から人々が突撃してくるようになったのです。

御札の家の謂れについては、ネット普及後のわりと早い段階で某宗教施設の跡地である事がネタバレしていました。
しかしそれを否定してでも、そこを心霊スポットに仕立て上げようとする流れがありました。
要は数字です。PVがいっぱい欲しい、いいねがいっぱい欲しい。お札の家のような有名スポットは一定数の需要を持っているので、新規の視聴者を稼ぐのにも最適だったことでしょう。
YouTubeのような収益化ができる媒体だとお金だってそこに絡んできます。

外から見えた御札の家の内部(無断転載禁止)

こちらは御札の家の外から見えた内部の様子です。
以前に記録用に撮影し、その後はどこにも公開したことはありません。
建物が無くなったから…というのもありますが、この状態は見てもらいたいと思ったので初めて投稿します。

もちろん経年劣化で傷んでいる部分が大きいのは否定しませんが、この状態がそれだけではないのは明らかです。

Aさんが玄関付近で動画を撮ったから、Bさんは建物に入って動画を撮り、Cさんは更に…。
この繰り返しで収集がつかなくなったのが、この状態です。

岡山県では他に岡山市中区の廃納骨堂も取り壊されました。

廃納骨堂跡地(無断転載禁止)

取り壊しの事情は分かりませんが、こちらも多くの撮影者が入り込んでいました。
今のようなことを繰り返していけば、やがて全てのスポットが消滅してしまいます。

もちろん危険な状態で放置されているような廃墟などは、取り壊された方が世間的には良いでしょう。
しかしいわゆる「界隈」にとって、早いもの勝ちでしゃぶり尽くして後には何も残らない。そんな状態を作って、それで満足なのかどうか。各々の行動について考え直してほしいと思います。




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