「とりめし」はどこから来たのか
岡山のご当地グルメの話題にたまに「とりめし」が上がってくることがあります。
上の写真のようにスライスした鶏の唐揚げをご飯の上に載せ、タレを掛けて食べる丼物のようなメニューです。
岡山市のサウスヴィレッジの販売所でこのように売られていたのを食べました。
「ご当地グルメ とりめし」。
ネットで検索すると「岡山に来たからとりめしを食べたい」などと綴ったブログ記事なども散見される程度には、岡山の食べ物という認識が広がっているようです。
しかし探してみてもとりめしの名店であったり、起源である事を売りにしたお店というのは有りません。もちろん郷土料理の本にも全く登場しません。
とりめしは一部の飲食店で提供している他、スーパーのお弁当コーナーで販売されているくらいです。
それもそのはず、とりめしの起源であるお店は全国チェーンのお弁当屋「ほっかほっか亭」なのです。
ほっかほっか亭の公式サイトから無断転載してきたメニュー写真です。
このとりめしが「元祖・とりめし」です。
つまり、岡山に来たからにはとりめしを食いたいぞ!と思ったら、まっすぐにほっかほっか亭へ行け…というのが答えなのです。
それがなぜ岡山のご当地グルメの扱いを付けるようになったかと言うと、実は当初の販売エリアが岡山県だったのです。(wikipediaによると広島県の備後地域の一部でも)
つまり岡山県でしか食べられないほっかほっか亭のご当地メニューだったのですね。伝統的に食べられてきた郷土料理という訳でもありません。
詳細は未確認ですが、岡山の店舗で弁当の注文を受けて作ったのがメニューとして提供されるようになったという経緯のようです。
既に岡山…だけではない、とりめし
ちなみにこの事が話題になり始めたのは、わりと最近の事です。
恐らくSNSが発達し始めた頃に出てきた話題だと思います。岡山県を離れて暮らす人達がとりめしの想い出を書き込んだのが契機ではないでしょうか。
しかしその頃にはとりめしは既に岡山県以外でも販売されるようになっていたのです。
実は先に掲載したほっかほっか亭のメニューのスクショでも上の部分は「メニューを見る>大阪府>とりめし」となっています。
全都道府県かどうかまでは調べていませんが、全国各地で販売されているのは間違いありません。
ちなみにほっかほっか亭ではメニューを検索するのに期間限定商品や定番商品などのカテゴリーがあるのですが、とりめしは定番商品のカテゴリーに加えられています。
2013年のYahoo!知恵袋でも「とりめしは岡山しか無いらしいですね」という質問に対し、このような解答があります。
この質問者のお礼コメントに関して言えば、決して「ガセネタ」ではありません。
とりめしが岡山限定メニューから始まったのは事実で、岡山(と広島の一部)限定のメニューだった期間があるのも事実です。
それが全国に広まったのですから、我々はとりめしを誇っていいはずです。
前述の通り元祖とりめしを食べたいと思ったら、身近なほっかほっか亭に行けば良いという事になります。
しかし岡山では「とりめしは岡山から始まった」という事で、色々なとりめしが考案、販売されれています。今回私が食べたお弁当もその内の一つです。
岡山に来てスーパーなどの惣菜コーナーを巡って、色々なとりめしを探してみるのもきっと楽しいですよ。