オーディオブックのサイト、audiobook.jpを4か月使ってみたので感想を書きます。
どんなサービスがあるの?
audiobook.jpのサービスは大きく3つに分けられます。
・通常会員
会費0円で利用できるプランです。
会員登録だけで聴けるのは0円のお試しサイズくらいの本だけです。
それ以外の本は都度購入する事になるので、普通の通販サイトとしての利用と同じです。
試しにオーディオブックを聴いてみる、学習の為に何冊か欲しいだけ…というケースなら、余分な負担なしで利用できるのでお勧めです。
・月額会員
月会費を支払う事で、毎月一定の本を購入する為のポイントを得られるサービスです。
会費は購入したい本の冊数に合わせて550円~33,000円まで。
550円ならボーナスが60点加算されて、610円分の本が購入できます。
そして一番高額な33,000円プランではなんと9,000点が加わるので42,000円分の買い物が出来ます。
定期的に購入するなら定額プランがお勧めです。
・聞き放題プラン
月額750円で聴き放題に指定されている本なら何冊でも聴き放題のプランです。
ただし本のラインナップについては限定的です。
kindle unlimitedを利用したことがある方なら「あんな感じ」です。
自己啓発、ビジネス書は豊富ですが、文芸書はかなり少ないです。
※この記事を書いた後に年額プランも登場しました。
尚、通常会員や月額会員で購入したオーディオブックはZIP形式でダウンロード可能です。
聴き放題プランでの利用は対象外です。
何故かファイル名は文字化けしていますが、きちんと視聴可能です。
アプリの使い勝手
アプリで本の購入、管理、再生が可能です。
特に再生に関しては購入した本をダウンロードする以外は、スマートフォンアプリでしか視聴出来ません。(※2021年2月現在)
倍速はゆっくりの0.5倍から、0.1倍ずつ上げていって最大で4倍まで可能です。
基本的にかなりゆっくり労働されているので、普段の会話程度の速度で聞く場合は1.4~1.5倍くらいがオススメです。
アプリの不満点もあります。
気になった点をピックアップします。(※使用環境はandroid端末です)
・通知音が鳴っても朗読が止まらない
携帯電話を使っている時のアプリの通知音や、ナビを使っている時の音声案内時に朗読が止まりません。
通知音の妨げにならないように朗読のボリュームが下げられますが、聞き取りづらくなるので重要なポイントなどだと逆戻りをして聞き直す事になります。
個人的には読むコンテンツは通知音の間は停止で良いと思います。
ちなみにaudibleは一時停止+3秒ほど戻してから再生再開です。
・SDカードにデータを移せない
オーディオブックのダウンロード先は本体です。
これはandroid端末特有の事象ですね。
本一冊が先に紹介した「三姉妹探偵団」で351MB。
何冊かダウンロードすればすぐに数GBを占拠します。
android端末はSDカードにデータを移せる機能があるので、iPhoneにくらべて本体容量が控え目の傾向にあります。
なので「また聞き直したいな」などと、読み終えた本を残し続けるというのは余り好ましくない事になってしまいます。
これは改善希望です。
・重たい
RAMが6GBで最新のスマートフォンに入れていますが、ちょいちょい落ちます。
この記事を書いている時点での最新機種のRAMは8Gの物も出てきているので、最新の性能とは言えない物の決して低い数値ではありません。
この手の感想はPLAY STOREでも多く見られ、停止ボタンを押してから止まるまでに数秒を要する等の書き込みもある事から…、恐らく重たいのでしょう。
私の環境では再生時に落ちる事は皆無で、ライブラリの管理などをしていると落ちます。→アプリのアプデで再生中の停止の症状も発生しました。
audiobook.jpの大型のアプデは基本的に問題を伴います。
本のラインナップは?
audiobook.jpの本のラインナップは端的に言って、物凄く偏っています。
自己啓発系、ビジネス書は、買い切り、聴き放題共にかなり充実しています。
しかし文芸書に関しては非常に脆弱なラインナップです。
例えば先ほどダウンロード画面を紹介した赤川次郎さんの三姉妹探偵団。
audiobook.jpでは1巻のみですが、amazonのaudileでは既に全シリーズが展開されています。
概ねこのような感じで、文芸書の品ぞろえが低調です。
参考に2021年の1月27日 ~ 2021年2月02日までのランキングをご覧下さい。
見事に自己啓発ばかり。
自己啓発系が強いのはaudibleも傾向としては同じですが、同日の1位が本好きの下剋上、2位が又吉直樹さんの劇場と、文芸書の流行も反映されているのが特徴的です。
ちなみにこの二冊はどちらもaudiobook.jpでは配信されていません。(2021年2月時点)
個人的には勉強するならaudiobook.jp、単に読書したいならaudibleという使い分けが良いのではないかと思います。
お勧めのプランは?
この記事を読んでいる方はオーディオブックを利用した事がない方が多いと思います。
なので先にオーディオブックの相場を書いておきます
一冊の価格は概ね1,500円から上下500円くらいです。
概ね新書価格+1~2割増しといったところでしょうか。
文庫本の価格帯で購入できるのは、再生時間が1時間~40分程度の短編が主です。
元になる本があって、ナレーターが7~9時間も読み上げている事を考えれば、寧ろ安いくらいですが…、この辺りは個々の懐事情や価値観によるのでしょう。
なので個人的なお勧めのプランは、
聴き放題+個別購入
…です。
先にも述べた通り、聴き放題プランは特にジャンルの偏りが大きい。
なので聴き放題プランだけで満足できる事は、余りないでしょう。
たまに好きな本を購入して、後の聞き流し程度で何か聞きたい時は聞き放題プランで興味がある本を聴く。
月額会員も良いのですが、ある程度の数を聴いてしまうと、audiobook.jpの品ぞろえではポイント消費がしんどくなってくると思います。
audiobook.jpのラインナップでは満たされず、多めの本を聴くのであればaudibleの方が良いでしょう。
感想・忙しいわたしも耳は意外とヒマしてない
audiobook.jpのキャッチコピーは「忙しいあなたも耳は意外とヒマしてる」です。
しかし実際に聞いてみた感じでは耳は意外とヒマしてないなと思いました。
何か作業をしている時は耳元で流していても、余り頭に入ってきません。
物語のある小説や、前項で解説した事が何度も引き合いに出されるような教養、自己啓発系の本では、結局「聴く」作業に集中する事が求められます。
なので感想としては「思ったほど聞けないな」という感じです。
私は月に10~15冊程度が限度で、意外と紙の本と変わりません。
ちなみに私がオーディオブックを「ながら作業」に採用できたのは、散歩や買い物、洗い物や洗濯物などの簡単な家事くらいでした。
運転中は混んでる時間帯は、運転の方に気を取られがちで微妙でした。
本当にながら作業のお供にするなら、多少聞き漏らしても問題のないラジオやPodcastのようなコンテンツの方が良いのかもしれません。