TOPコラム>岡山空襲を学ぶ7

変色した石垣

『焼夷弾』

空襲の音

 岡山空襲を調べるに当たって、実際に空襲を体験された方々の手記を拝読していると、ザーザー(ザアザアとも)という音がした」という表現を何度か見かけました。

 この音は何かが壊れる音でも、焼けたりする音でもありません。
 焼夷弾が落下してくる際の音だったのです。
 前ページまでで多少触れてきましたが、岡山空襲には爆発による破壊ではなく、火災を引き起こす事を目的とした『焼夷弾』が使用されました。
 一つはM47焼夷弾で、もう一つはE48集束焼夷弾です。

M47焼夷弾とは

 前者はナパーム弾と呼ばれる焼夷弾で、高温で周辺を焼き払う為の爆弾です。

 この爆弾の中身が衣服へ付くと、簡単には落とせず、そこへ火がついてしまうために衣服を捨てて避難したという方も多く見られたそうです。
 まず、このM47焼夷弾で火災を起こし、それを目標として後述のE48収束焼夷弾を落とします。

E48収束焼夷弾とは

 後者の焼夷弾は、大きな容器となる本体の中に、幾つかの焼夷弾を詰め込んだものです。
 E48集束焼夷弾の中にはM74焼夷弾という焼夷弾が詰め込まれています。
 これはアメリカ軍が日本の木造家屋を効率的に焼き払う為に開発したM69という焼夷弾を更に改造したものです。
 形は先端が六角形になっており、詰め込む際に効率的にスペースを使えるように考慮された作りになっています。

 また中には発火点が低く燃えやすい黄燐が加えられており、被害を増大させました。
 1つのE48集束焼夷弾は、38個のM74焼夷弾が詰め込まれた状態で投下され、空中で分離して地上へ降り注いで行く仕組みになっています。

ザアザアという音の正体

 空襲に遭われた人々が聞いたザーザーという音は、空中でE48集束焼夷弾から分離されたM74焼夷弾が降って来るときの風切り音です。
 岡山空襲では2,187個のE48集束焼夷弾が投下されたので、M74焼夷弾が合計で83,106個が降り注ぐ計算になるので、多くの人の耳に残ったのでしょう。

 M74焼夷弾は垂直に落ちるように、金属製の尾翼がついており、落下する際にこの部分へ火がつき、空が火の海のように見える要因となりました。

 この岡山空襲はかなり離れた場所からでも、真っ赤に空が燃え上がっている様子が確認できたそうで、非常に激しい攻撃だったことが判ります。

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写真:『空襲により変色した、岡山城の石垣』
撮影:岡山の街角から

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