『戦災跡を歩く1 岡山城周辺』
岡山空襲の詳細について、ここまでで一通り調べてきました。
ここからは現在も見られる」戦災の跡を辿って歩いていきたいと思います。
焼失した岡山城の今
上の写真は空襲後に撮影されたもので、岡山城が焼失してしまっています。
一晩のうちに、見慣れた風景が完全に失われてしまった当時の人々は、この風景をどのような気持ちで眺めたのでしょう。
僅かな建物のみを残して焼き尽くされた写真を見ると、今まで自分が体験したことの無い恐怖へ対する不安が胸を過っていくのが判ります。
(※写真をクリックすると、大きなサイズの写真が見えます)
これが現在の岡山城周辺です。
周囲をビルに囲まれながらも強い存在感を持っています。
岡山城天守閣が再建されたのは、焼失から約20年後の事です。
昭和39~41年に掛けて、天守閣部分が鉄筋コンクリートによって再現されました。
復元天守に思う
岡山城へ来られた方の中には、鉄筋コンクリートによって再建された城に味気なさを感じる人もおられるようです。
実際に名古屋城を新たに木造で再建しようという話が出た際には、大きな話題になりました。
しかし、私は思うのです。
岡山城というのは、空襲があるまで市民の方々が当たり前に目にしてきていた郷土の風景であり、岡山市のシンボルです。
その『当たり前』であった岡山城を再建する事こそ、岡山市の戦争からの本当の意味での戦後復興だった筈です。
そのシンボルたる岡山城が少々の災害では動じない、確固たる強度を持った鉄筋コンクリートの城であることは、6/29の悲劇から立ち直った強い岡山市のシンボルとして、寧ろ相応しいのではないでしょうか。
平和を祈り、戦いを拒む人々の想いがある限り、この新しい岡山城はもう決して無くなったりしないのですから。
写真:上『空襲を受けた丸の内、内山下付近の様子』
下『現在の岡山城周辺の様子』
写真提供:上:岡山空襲 展示室様
下:プランク様
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