幻の拡張計画
玉野市電の拡張計画
終点まで来たので廃線跡とは異なるお話をしていきます。
何度か説明したとおり玉野市電は二度にわたり路線を延長しました。
最初は終点だった三井造船所前駅~玉駅の区間、そして二度目は玉駅~玉遊園地前駅の区間です。
実はこれ以外にも実現されなかった拡張計画があります。
延長計画1 渋川方面
渋川方面への延長案(各名称が仮の駅名)
・玉遊園地~奥玉~志池(玉原)~和田~日比小学校前~日比~波峠(日比と製錬所の中間くらい)~日比製錬所前~渋川海岸
全長:11.6km 時間:約25分
延長計画2 岡山方面
岡山方面への延長案(各名称が仮の駅名)
宇野~広潟~田井~十禅寺~大藪~後閑~福浦~波知~八浜~見石~碁石~松尾~甲浦~児島湖の堤防の上を通過~岡山港~藤田~福田~青江~奥田~岡山(清輝橋)
全長:22.2km
※宇野線より市街地までの距離が短く、時間的にも20分程度の大幅な短縮になる。
延長計画の概要
まず渋川方面への延長計画。
三井造船と並んで玉野市の主要な企業である日比製錬所を通ります。
また玉野市電が前身の備南電気鉄道だった時代に目指した水島方面への延長の布石としても考えられていたのかも知れません。
国鉄(JR)の駅がない一帯を走るので、市民サービスの向上にもつながることが予想されますが、実現しませんでした。
もう一つの岡山市方面への延長計画は、最短ルートで玉野市と岡山市と繋ごうという計画です。
宇野線はかつての児島湾を迂回して作られているので、途中で倉敷市を通るなど、岡山市の中心部を目指すには大回りなルートです。
そこで児島湾を干拓した際に出来た児島湖の堤防を通って、より短い距離で岡山市へ入っていくルートを計画していたそうです。
これを玉野市電単独で考えていたのか、岡山市を運行していた岡山臨港鉄道との接続を考えていたのかは不明です。
児島湾の堤防へ線路を通す構想は実際にあり、堤防の車道の脇に現在では遊歩道となっている辺りの土地は、実現した場合の線路が敷かれる予定だったそうです。
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写真:児島湖周辺
写真提供:岡山県
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