下津井電鉄跡を歩く8:東下津井駅跡を超えて
鷲羽山駅跡を過ぎて、瀬戸大橋が見えるのもつかの間、少し歩くと東下津井駅跡に辿り着きます。
近いと思って看板を見てみると、鷲羽山駅からの距離は0.4km。
恐ろしく短い距離です。
後で調べてみたところ、鷲羽山駅は登山の客向けに開設された駅だったそうで、普段の利用に関してはこの東下津井駅が主力だったのではないでしょうか。
琴海駅、鷲羽山駅と続けて民家から大きく離れた場所にあったのですが、この東下津井駅跡に関しては民家や下津井中学校など、人々の生活に密着した場所にあります。
右の写真が現在の駅跡です。
東下津井駅のホーム跡は他のホームと比べてもかなり閑散としており、道の舗装や街灯なども途絶えてしまい、風の道の看板が設置されていなければ通り過ぎてしまいそうな雰囲気です。
現役当時はレトロな雰囲気の駅舎があったそうですが、現在は綺麗に撤去されています。
しかし駅跡近くには商店の跡らしき建物もあり、また鷲羽山ハイランドやホテルなどに行くのにも交通の便がいい場所で、現役当時はにぎやかな場所だったのかもしれません。
そういえばこの駅からは、もう一つ瀬戸大橋のブームに乗ろうとして消えてしまった遺構を見ることが出来ます。
写真に見える長い塔を備えた建物―。
1990年にゴルフ場などを手がける会社が作った展望タワー付ホテルの『ラ・レインボー』です。
バブル景気の崩壊、そして瀬戸大橋の観光需要の低下によって1997年に休業したまま廃墟となってしまっているホテルです。
開業当時は瀬戸大橋バブルの象徴のような風景だったのではないでしょうか。
今は両者とも過去の遺構、地元に住む人々の記憶の中だけに残っている風景となってしまいました。
次は終点の下津井駅。
少し駅の感覚が長めになっていて、2km以上の距離を山を縫うようにして進んでいきます。
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写真撮影:岡山の街角から
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