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桃とキジ 舞台探訪
桃太郎シリーズの第一弾として制作された映画「桃とキジ」。
将来に迷う売れない女優の主人公が故郷の岡山に戻ってくるストーリーで、ロケの多くも岡山で行われています。
出演者にも岡山出身の方がおられ、非常に面白い作品です。
尚、本文中に多少のネタバレを含みます。未視聴の方で先に知りたくないという方はご注意下さい。
目次
一日目
岡山の風景 小島帽子店 天満屋 石山公園
二日目
倉敷美観地区 寄り道(鷲羽山) 酒屋タイムスリップ 西川緑道公園
三日目
翁軒
四日目
時計台(下之町) おかやま信用金庫 吉備津神社
五日目
吉備津神社までの道 吉備津神社 表町商店街の恐竜
エンディング
鬼ノ城 岡山県内の風景
1日目
実家のお店が閉店するとかつての演劇仲間の「キジ」から知らされた桃は、故郷で実家のある岡山市に戻ってきました。岡山の映像
帰郷の前に岡山の観光名所の映像が流れます。
順に、
・鷲羽山
・岡山駅
・桃太郎大通り
・後楽園
…です。
BGMにはアレンジされておしゃれな感じになった童謡の桃太郎が流れます。
小島帽子店
桃の実家である「小島帽子店」は表町商店街の内、中之町にあるお店です。(関連リンク:表町の地名の由来)
店舗は万京という実在する帽子店の建物が使用されています。
ストリートビューに写っている隣の洋服店のTAKAKIもそのまま映画に登場しています。
天満屋
帰郷してすぐにキジが仕事で商品の受け取りに来ます。
キジの勤務先は岡山の地場企業である天満屋。

帽子屋のすぐそばで百貨店を構える地場企業です。
この後、二人でお弁当で昼食をしたのはこの建物の屋上です。
帰郷したのは岡山市で行われる大規模な夏祭りの桃太郎まつりの翌日です。
桃太郎まつりは8月の第一土曜日、日曜日で開催されます。
夜に待ち合わせた際に、桃が待っていたのはこちら。
キジが出てきたドアに書かれている文字は「天満屋本社ビル」ですが、2022年時点では「西館事務棟」に変わっています。これは撮影のために変更したのではなく、撮影後に変更された為です。
石山公園
合流した後で散策したのは、岡山城が見晴らせる石山公園です。
ライトアップされているのは、夏の幻想庭園が開催中の為です。
桃が帰宅のために表町商店街に来ると既に暗くなっています。
これはキジと話し込んで遅くなったという見方も出来ますが、表町商店街の夜は早いのでそれほど遅い時間帯ではないのかも知れません。
2日目
滞在2日目はキジと配達に行ったり、旧友との親交を温めます。主な舞台は倉敷市です。
倉敷美観地区
母親から取引先の配達を頼まれてキジと車で向かったのは倉敷市の観光地、倉敷美観地区の本町通りです。
倉敷本町郵便局の前に車を停車させ、先に桃だけをおろします。
この車は倉敷市に生産拠点を持つ三菱自動車工業にOEMで供給されており、デリカD:2の名称で販売されています。そちらが使われなかったのが残念です。
帽子の配達先は倉敷帆布の倉敷美観地区店です。
しかし車が来た方向からすると、キジはわざわざ離れた場所で桃を下ろした事になります。
撮影的に美観地区らしい風景のある郵便局周辺を選んだのか、それともお店周辺の道が狭いので迷惑にならないように道幅の広い所まで出て停車するというキジの気配りなのかも知れません。

配達後に二人が歩いているのは倉敷川沿いの道です。
車をどこに停めたのかは分かりません。しかしこの辺りのコインパーキングは観光地価格で非常に高いので、少し歩いて芸文館の駐車場辺りではないでしょうか。
寄り道(鷲羽山展望台)
キジの提案で来たのは同じ倉敷市の鷲羽山展望台です。
「せっかくここまで来たんだし、寄り道して行かないか」
まるで美観地区のすぐそばにあるような口調で誘いましたが、美観地区と鷲羽山展望台は約21kmほど離れています。
寄り道と言うにはやや距離があります。桃も驚いた事でしょう。

駐車場から徒歩数分の場所に整備されています。
居酒屋、イヌとサルとの再会
鷲羽山を発った二人は岡山市の市街地へ戻り、居酒屋へ向かいます。
ここでは旧友のイヌ、サルと再会します。キジも含めて彼らの愛称についての明確な解説はありませんが、桃が女優を目指すきっかけとなった桃太郎の演劇での役柄に由来するようです。
ここでイヌとサルの仕事についての話になります。
まずイヌ。
勤務先はおかやま信用金庫の内山下支店です。
建築家の安藤忠雄さんが設計した建物で、おかやま信用金庫の創立100周年記念として発祥の地に建てられた支店です。
金川支店から異動になったと話しており、彼の表情や支店の位置的に栄転と言って良いでしょう。
続いてサル。
サルの勤務先は岡山市北区津高に本社を置く三幸工務店です。
こちらも実在の会社で、桃に渡された名刺に書かれている会社のサイトのアドレスも実際のものです。
西川緑道公園
居酒屋でイヌ、サルと別れて、キジと歩いていたのは西川緑道公園です。
下石井公園のそばに整備されている西川緑道公園水上テラスです。
先程の居酒屋から600mほど歩いた場所です。桃の家(小島帽子店)に戻るにはやや行き過ぎており、居酒屋から1.5kmほど歩いたことになります。
二日目はここまでです。
小島帽子店を起点として、車だけでも75km程度の移動です。お疲れさまでした。
翁軒
桃が暗くなった商店街を歩いていると、お菓子屋の店先で急に話しかけられてビックリするというシーンがあります。
このお店も実在する翁軒です。
岡山銘菓の調布を考案した金華堂から製法を引き継いだお店で、今も調布を看板商品としています。
翁軒を通り過ぎた次が帰宅のシーンですが、桃の進行方向は自宅のある中之町とは逆方向になっています。
下之町の時計台
4日目の導入部で登場するのは表町商店街の下之町にある時計台周辺です。

桃太郎大通り側からの表町の入り口に当たる場所で、人通りの多いエリアです。
ちなみに今までに登場した中之町、下之町の他に上之町もあります。
元々は一つの福岡町を形成していた地区で、それが三分割されて上中下を名乗るようになりました。
おかやま信用金庫内山下支店
桃の母親がイヌにお願いをするために訪れます。
建物は先に紹介した通りです。
吉備津神社
桃の父親の回想シーンで登場します。
桃の為に作った帽子を持って祈願に訪れた神社です。

吉備国が3つに分割された際に、備前国の吉備津彦神社(岡山市)、備後国の吉備津神社(広島県福山市)に分霊され、当社が備中国の吉備津神社になりました。
なので岡山市の表町で長く商売をしてきた桃の家柄を考えると、厳密には吉備津神社ではなく備前国の一宮である吉備津彦神社の方が相応しいのかも知れません。
吉備津神社の拝殿と本殿が国宝に指定されている希少性や、病気の父が階段を必死で上がるというシーンに合うので選ばれたのかも知れません。(※吉備津彦神社には余り階段はない)
5日目
主な舞台は吉備津神社です。桃一人で移動しており、交通手段は吉備線のようです。
吉備津神社までの道
亡き父の訪れた吉備津神社へ桃も訪れます。
今回のほうが描写は多めです。
まず田んぼの中を歩くシーン。
背景に和楽リビング吉備中山の建物が見えるので、撮影場所はこのあたりです。
吉備津駅で降りれば約650mの距離のところを、約2kmも歩いています。
都会の人はよく歩くと聞きますが、真夏の炎天下です。作品冒頭でかなりの距離を全力疾走するシーンがありますが、健脚なキャラクターという設定なのでしょう。
吉備津神社

ようやく辿り着いた吉備津神社への入り口、北随神門です。
前日の回想シーンで父親が懸命に登っていた階段は、この門を超えた先です。

続いて登場した長い道は吉備津神社の回廊です。
自然の地形のままに整備されており、作中でもアップダウンがある様子が確認できます。

そして最後に拝殿です。
作中ではこの内側に入って立ち回りを演じました。
ところでこのシーンは実際に参拝するとおかしな順序になります。
吉備津神社に北随神門の方から入ると、階段を登った先にあるのは拝殿です。
桃が拝む前に歩いていた回廊は拝殿の奥にあるので、順序的には拝んだ後で歩くのが自然です。
作中の順序では北随神門の階段を登りきると、拝殿を素通りして回廊を往復して帰ってきてから拝んだ事になります。
やはり彼女は歩くのが好きなのでしょう。
…というのは冗談で、回廊は県の重要文化財に指定されており、吉備津神社の定番の風景なので映像に取り入れたのでしょう。
表町商店街の恐竜
吉備線が走るシーンから場面が切り替わって表町商店街に戻ります。


一瞬だけのシーンなので気付かなかった人もいるかも知れませんが、商店街には恐竜が飾られています。
画面には写っていませんが、翼竜の子供もいます。
翼竜の子供に手を出そうとした恐竜に、親の翼竜が攻撃をしようとする…という流れになっています。
この後は小島帽子店の中でのシーンのみです。
鬼ノ城

(写真提供:岡山県)
エンディングは二人が会話しているシーンで、場所は総社市の鬼ノ城です。
景色のいい場所で会話をして終了です。
岡山の風景
エンドロールに入る前に岡山県内の風景が何箇所かBGMと共に流れます。
写真は割愛しますが、登場する場面は下記のとおりです。
・吉備津神社
・倉敷美観地区
・岡山城
・岡山後楽園
・岡山駅前 (※登場順)
これで作中に登場する岡山県内の風景は一通り紹介できたと思います。
一つ不明なのは桃が訪れた自動契約機です。岡山に戻ってきてからのシーンなので、どこかに実在するのかも知れませんが調べるのは難しそうなので省きました。