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8日間?! 品川白煉瓦工場のハンスト

品川白煉瓦工場のハンスト


 1931年に品川白煉瓦の伊部工場で大掛かりな労働争議が発生しました。
 この中ではなんと8日間ものハンストも行われました。

 ことの発端は会社による従業員の解雇です。
 解雇された9人は共産党の指導のもとで会社に労働組合を立ち上げようとしており、それを会社が察知しての出来事でした。

 ところで品川白煉瓦ではちょうど同時期に業績の悪いタイルの製造から撤退することを決めていました。そこでタイル部門の従業員を煉瓦の製造に配置転換することになりました。
 しかし前述の通り工場では9名が解雇されたばかりです。給料を減らされるのではないか、自分たちも解雇しようとしているのではないかと疑心暗鬼に陥りました。

 彼らと先に解雇されたグループが集結し、大掛かりなハンストが始まりました。
 

事態の経過


 騒動を受けて会社側は対決姿勢で挑みました。
 従業員側も引かずに工場長の自宅を襲撃(先に避難して人は無事)、工場前で他の工員が中にに入るのを妨げるなどしました。

 しかし暴力行為等を摘発すべく警察が介入して運動の中心となる人物らを検挙すると、従業員側の体制は崩れ始めていきます。
 そこで会社側も態度を軟化させた為、町長や町議会議員らが間に入って和解案を策定します。

・解雇された従業員の復職は認めない
・ただし見舞金として1人あたり50円を渡す
・ストライキに参加した従業員は不問とするが、会社の指示に従う

 これによって8日にも及んだハンストも終了しました。
 ただしハンストに参加した43人の内の13人は空腹に耐えかねえ仮病でリタイア、残る30人も家族らがこっそり食事を届けていたそうです。
 ハンストの大変さが伝わるエピソードですね。


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写真:イメージ画像


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