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ホテル ラ・レインボー
倉敷市の鷲羽山ハイランドのすぐそばに見える、とても大きな塔のようなタワーを持つのがホテル『ラ・レインボー』の跡地です
隣接する建物もまだ新しく、遊園地の駐車場の脇には看板がそのまま残されており、間違えてしまう方もいるかも知れません。
しかしホテルは現在は営業していません。
瀬戸大橋の夢物語
ラ・レインボーが作られたのは、瀬戸大橋が完成し、バブル経済の絶頂期を迎えていた頃です。

瀬戸大橋は開通前の当初の予測で一日の交通量が48,000台とされていました。(本四公団の初期段階の想定、後に下方修正)
この数字はレジャー関係を中心に様々なジャンルの企業から魅力的な数字として受け入れられました。
そして橋の架かる岡山・香川の両県で様々な計画や事業が立ち上げられました。
ラ・レインボーとは
ラ・レインボーも瀬戸大橋ブームを見越して誕生した施設です。
運営母体は同名のゴルフ場経営をする企業です。(後に民事再生、2010年に清算済)
瀬戸大橋を一望できる鷲羽山の一角で、更に観光道路である鷲羽山スカイラインや、県下最大の遊園地である鷲羽山ハイランドと隣接する好立地です。当初はドライブインとして開業、後にホテルになりました。
展望タワーは国内最大規模のもので、瀬戸大橋開通時には多くの客が壮観な風景を楽しみました。
※展望タワーのみの利用も可能で、料金は800円でした
ちなみに展望タワーは2016年現在でも、岡山県内で最も高い塔です。
経営の頓挫
しかし、二つの不幸な事態がラ・レインボーに降りかかります。
まず一つは、瀬戸大橋の交通量の低迷です。
瀬戸大橋の完成で廃止になったのは宇高航路の内でJR四国が運航していた宇高連絡船のみで、他の民間フェリーの航路は2019年まで存在していました。
高額な通行料が災いし、安価なフェリーへの需要を崩しきれなかったのです。その為、交通量は当初の予想を大きく下回りました
この状態は後に大幅な値下げが行われるまで慢性的に続きます。
もう一つはバブル経済の崩壊と呼ばれる景気の失速です。
当時の日本は株価や地価などの資産価値が急激に上昇した事で好景気を迎えていました。しかしそれは既に実体経済を大きく超えており、やがて実体のない好景気は終わりを告げました。
これでラ・レインボーなどのレジャー施設は大打撃を受けました。
この二つの影響でラ・レインボーはホテルへの業態変更などの施策を続けながらも、1997年に休業となりました。

建物はそのまま残され、再利用されることも無いままになっています。
注意
2022年2月にラ・レインボーに無断侵入して動画撮影をしていた男女が逮捕される事件が起こりました。(→事件詳細)
この件だけがニュースで大きく報じられた為に、たまたま3人が逮捕されたと思っている方も多いかと思います。
しかし実際はそれ以前から警察と管理者の間で施設への不法侵入への対策が進められていたそうです。警察によると2020年~2022年3月の間に9グループ35人が摘発されています。
決してラ・レインボーだけに限った事ではありませんが、建物への無許可での侵入は犯罪です。施設を何かしらの目的で利用したい場合は、必ず管理者に許可を取って行って下さい。