獄門島のモデル
復員した金田一耕助が、戦友の死を伝えるために訪れたのが獄門島です。
この島で起こった凄惨な事件と冴え渡った推理は勿論、金田一耕助シリーズを通して一番のヒロインとも評される鬼頭早苗が登場した作品としても人気です。
島のモデルは、笠岡市にある六島(むしま)と考えられています。
笠岡諸島の一つで、金田一耕助が向かう行程で書かれている真鍋島から次の島という場所の条件から獄門島に適している為です。
ただし作品中に出てくる島の雰囲気から真鍋島や、花崗岩で出来た島で元古くは『北門島』と呼ばれた事のある北木島なども有力候補として考えられています。
特定の島ではなく、周辺の島の習慣などを纏め上げて作った全くの架空の島ではないかとする考え方もあります。
獄門島の真の生みの親?
獄門島の中にKさんという人物が出てきます。
これは実在の人物である『加藤 一』さんの事です。
著者の横溝正史が岡山県での疎開中に出会い、田舎の風俗などを教わった人です。
その事が金田一耕助シリーズの様々な題材となった為、著者が『金田一耕助のモノローグ』の中で疎開中で一番の収穫となった出会いだと語っているほどです。
加藤 一さんが赴任していたのが真鍋島なので、島の雰囲気や風景については六島よりも真鍋島の方が近いとも考えられています。
関連リンク:獄門島のモデル・真鍋島編
六島とは
話を戻して無島について紹介しておきます。
獄門島のモデルになるような禍々しい雰囲気は全くない、非常に穏やかな島です。
自生する水仙や、瀬戸内海の島々を望める景色を楽しめる観光地です。
また航路の要所としても知られており、岡山県内で初の灯台が設置された場所で、現在でも六島灯台が海の安全を支えています。
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関連リンク
写真:六島灯台
写真提供:岡山県