『岡山市のジーンズブランド・ボブソン』
岡山県でジーンズと言うと、国産ジーンズ発祥の地として賑わう倉敷市児島地区や、井原市が思い浮かびますが、実は老舗のジーンズブランドとして人気のボブソンは、岡山市を拠点とする会社です。
ボブに損をさせろ
ボブソンのジーンズは、ユニフォームの製造を手がけていた会社が始めました。
ボブソンが誕生したのはジーンズブームが日本で巻き起こった1971年です。
ただ流行に乗ったという安易なスタートではありません。
ジーンズの生産に集中する為にそれまで手がけていた事業を他社へ譲渡し、ジーンズ専門の会社として社名もボブソンに変更しています。
ちなみに『ボブソン』という社名。
これは日本のジーンズを世界的に波及させる事によって、アメリカの企業に損をさせるくらいの会社になる!という意気込みが込められています。
ボブというのは、アメリカによくある名前であると言う事から、ボブ(アメリカ人)にソン(損)をさせる…という意味です。
絶頂期から低迷期へ
ボブソンのジーンズと言えば、革新的な商品を作る技術力が特徴的です。
特にレーヨンを使用した事による柔らかい『04ジーンズ』などはボブソンの歴史を語る上で外せない製品でした。
しかし時代は徐々に価格競争に移っていきました。
多少は質は落ちても格安で購入できるジーンズに人々の関心は移り、ボブソンは低迷期に陥っていきます。
そして2008年にはジーンズブランドとしてのボブソンは、東京のマイルストーン ターンアラウンド マネジメント社へ譲渡されます。
その後も売り上げは回復せず、民事再生法が適用されます。
しかしそれでも再建は叶わず、2012年にはボブソンは倒産、清算される事になってしまいました。
岡山に帰ってきたボブソン
倒産という最悪の形で終焉したかに見えたボブソンですが、ボブソンの創業家が再びボブソンのブランドを買い戻しました。
2008年にマイルストーン ターンアラウンド マネジメント社にボブソンを譲渡して以降、元々のボブソン社は子供服を中心に製造するピーチフォート社として再スタートを切っていました。
しかしボブソンが倒産し、再建が叶わなくなった事を知ると、ボブソンの商標権を取り戻し、ボブソンホールディングス社を設立。
再び岡山にボブソンが帰ってきたのです。
現在、ネット販売などを中心に展開しています。