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『旧厚生小学校・同盟休校事件』
事の発端
1930年、現在の美咲町にあった厚生小学校で児童が同盟休校(何かに抗議するために、集団で授業をボイコットする事)を行いました。
事の発端は教室での席順でした。
被差別部落の子供たちが隔離された同じ列に並ばされたのです。
名目上は伝染病予防のためとしていましたが、これは明らかに被差別部落の子供たちへ対する差別行為でした。
子供たちはこれに抗議して、登校を拒否したのです。
事件の推移
事件を知った部落解放同盟の前身、全国水平社は大規模な抗議活動に出ました。
しかし岡山県側はすぐには受け入れず、水平社の活動家は検挙されるなどの弾圧を受けました。
妨害もありましたが、抗議運動は徐々に拡大していきます。
更には別の地域の子供たちも同盟休校に賛同するなどした為、岡山県は最終的に非を認めるに至りました。
同盟休校に参加していた児童たちへの処遇も含め、様々な条件を飲んだ上での謝罪が行われました。
その後
厚生小学校は2006年に美咲中央小学校へ統合されました。
建物は改築され、美咲町立中央図書館として使用されています。
学校は失われても、起こった事件の教訓は忘れずに語り継いでいきたいですね。
関連リンク
画像:教室
写真提供:イラストAC
