TOP>コラム>コラム・岡山の事件簿>18.日本初!美術品 大量盗難事件
『日本初!美術品 大量盗難事件』
美術品大量盗難!
倉敷市の大原美術館は日本初の西洋美術を中心とした美術館です。
日本にあるのが奇跡とまで言われる名作、受胎告知などの作品で知られていますが、実は日本で美術品の大量盗難事件が始めて発生したのも、大原美術館です。
1970年11月28日の出来事です。
朝に職員の方が来てみると、本館2階に展示されていた作品の内5点が持ち出されていました。
盗まれたのはルオーの道化、ゴッホのアルプスへの道、ギョマンの自画像、モローの雅歌、ヴィヤールの薯を選る婦人です。
犯行
当時の大原美術館は現在のような警備システムがあるわけでもなく、夜間に警備員はが配備されていませんでした。
そこで犯人は夜を待って1階の窓の鉄格子を切断して進入し、持ち出し易い小さな絵のみを選び、額から外して持ち出しました。
被害総額は当時の金額で1億8千2百万円です。
作家陣も一流どころばかりで、絵画の海外流出への懸念も含め世界の注目を集める大事件となりました。
解決
事件は1972年の2月に全て回収されるという最高の形で解決しました。
実行犯が別件で捕まっており、その犯人を説得して絵の隠し場所や共犯を割り出す事に成功したのです。
犯行は5人で行われており、絵は東京と長野で発見されました。
ちなみに大原美術館の美術品の盗難はこれが初めてではありません。
1963年1月25日にも発生しており、この時はコローのナポリ風景が盗み出されており、残念ながら未解決のままになっています。
関連リンク
画像:大原美術館
写真提供:岡山県
