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地名の由来:首部
地名の由来
岡山にもコウベがある!
…というと、かつて神戸の商人を集めたとか、神戸の人たちが集団で移住していたとか、そういった由来を考えそうですが、これは不正解です。
岡山のコウベは『首部』と書きます。
地区内にある白山神社に誰かの首が埋葬されているという『首塚』が存在します。
首部の地名はこの首塚に由来します。
首の行方
首塚の首は古い言い伝えでは、岡山に伝わる『温羅伝説』の温羅のものだとされていますが、もしその通りだとすると、首部に首はないことになります。
吉備津彦命との戦いに敗れた温羅は、首をはねられて晒し首にされました。
それが現在の首塚のある場所です。
しかし首だけになっても温羅は唸り声を上げ続けました。
首を犬に食わせても、首を吉備津神社(御釜殿の下)へ移しても唸り声はやみませんでした。
そんなある日、吉備津彦の夢に出てきた温羅は、自らの妻の娘に御供え物を炊く神事をさせるように言いました。
そしてその通りにすると唸り声はやみました。
これは現在でも吉備津神社に伝わる鳴釜の神事の起源とされています。
釜から鳴る音の具合で、願い事が叶うかどうかを占うものです。
しかし白山神社の首塚には、別の戦での戦没者の首だという言い伝えもあります。
結局のところ、誰の首なのかは歴史のミステリーといった具合でしょうか。