久米廃寺跡と宮尾遺跡
詳細
■ 県指定:史跡
■ 時代:白鳳時代~
■ 所在地:津山市宮尾
■ 営業時間:見学は24時間可(照明などは無いので日中推奨)
■ 入場料:無料
■ 駐車場:近くの道の駅を利用できる
久米廃寺とは
津山市の道の駅「久米の里」のすぐ西側に久米廃寺跡という寺院跡の遺跡があります。白鳳時代(7世紀後半~8世紀初頭)の寺院跡で、判明している限り美作地方では最も古い時代の寺院です。
寺院の名称は伝わっておらず、所在地が久米郷に含まれる事から久米廃寺と呼ばれています。
平安時代に火災に遭い、建物が焼失し廃寺になったとみられます。
現地の案内板によると最盛期の規模は東西130m、南北110mに及び、境内には五重塔もあったようです。この塔の心礎(塔の塔の中心柱の礎石)の存在は古くから知られており、寺院があった事も伝わっていました。
(道の駅に設置されている五重塔、久米廃寺にあったとされるものをモチーフとしている)
しかし具体的な調査は行われていませんでした。当地に中国道が通る事になり、それに先立って調査が行われました。(1969~1971年)
そうして前述のような詳細が判明し、更に蓮華文軒丸瓦、仏像(塑像仏・塼仏)・青銅製相輪などが出土しました。
宮尾遺跡
久米廃寺跡から東へ約300mの場所に宮尾遺跡もあります。
こちらも中国道が通る事に伴って、高速道路に下になってしまう遺跡の北半分について発掘調査が行われました。
その結果、溝・門・柵と組み合わせられた多数の建物があった事が判明しました。出土した遺物なども含めて調べられた結果、宮尾遺跡は現在の役所に相当する郡衛(郡家)があった場所であったと考えられ、久米郡の郡衙に比定されています。
建造年が近い事もあり、久米廃寺と宮尾遺跡(久米郡の郡衙)はセットで整備されたものと考えられています。
遺跡自体も貴重なものですが、両者が並んで整備されていた事は当時の仏教と政治の関りが読み取れるようで興味深い物だと思います。