吹屋の街角から
詳細
■ 所在地:高梁市成羽町吹屋一帯
■ 入場料:無料(一部、有料の施設有り)
■ 営業時間:町並み散策は24時間可。
※お店、施設はそれぞれご確認ください。
吹屋ふるさと村
―嘘のような風景。
それが良くも悪くも、吹屋ふるさと村を訪れた最初の感想です。
完璧すぎる、映画のワンシーンのような統一された町並み。
古い風景が残されていると言うよりも、まるで作り上げたかのような町並みが広がります。
公衆電話も周りの風景に調和しているし、
(写真提供:岡山県観光連盟)
郵便局も町並みに調和している。
中に入ると見慣れた近代的な郵便局になっている事に逆に驚いてしまいます。
吹屋ふるさと村には、町並みを崩すようなものが本当に存在しません。
吹屋の歴史
(写真提供:岡山県観光連盟)
吹屋はかつては銅山として栄えていた地域です。
地名もその名残で、鋳物職人が加工をする際に『吹く』(ふいごで風を送る)事に由来します。
幕末から明治時代に掛けては、ベンガラという赤の塗料の国内唯一の産地としても賑わいました。
現在のように町並みが赤く統一されているのは、その為です。
かつての旦那衆が島根県の宮大工に依頼し、ベンガラのカラーをコンセプトに、統一した町並みを作り上げました。
旧吹屋小学校
吹屋の町は景気がいい時代が長く続きました。
その頃の遺構として、旧・吹屋小学校の校舎があります。
1909年~2012年の廃校まで使用され続け、晩年には現役の校舎としては国内最古の物として広く知られていました。
吹屋が主産業を観光へ転換したのは、銅山や弁柄の産出が終わった為です。
やがて廃れていくであろう地域を懸念した人々は町並みの貴重さや、その保全の必要性を説きながら、徐々に観光の町として知られるようになりました。
1974年には国が地域や地区一帯の建物群を保存する『伝統的建造物群保存地区』の制度を定めるよりも早く、県独自の制度であるふるさと村に指定されました。
現在では国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されています。
これらの制度の下で、吹屋の風景は次の世代にまで引き継がれていく事でしょう。