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「作州街道の一家心中の家」の正体とは?放置された4軒の家と詐欺説を検証

作州街道一家心中の家とは

 岡山県の津山市と鏡野町を通る県道339号は、途中で広域農道と重複しており、この区間には作州街道の愛称があります。

 この道が山の中を抜ける辺りで、一か所だけポツンと家が立ち並ぶ空白のような地点があります。周辺にある家はその一角にだけで、航空写真からでも容易に確認できます。

作州街道の航空写真
(2012年時点の作州街道の航空写真 写真提供:国土地理院)

 道路側からは2軒だけが見えますが、更にその奥にもう2軒、合計4軒が立ち並ぶのが確認できます。

 いつの頃からかこれらの建物は「作州街道一家心中の家」という物騒な呼び方をされるようになりました。


心中どころか、そもそも無人だった

 その由来として次のような話が広まっています。

 この4軒の内の1軒の家で一家心中が起こりました。その後、家の周辺で奇妙な現象が相次ぐようになります。
 やがて一軒、また一軒とこの地を離れていき、とうとう誰もいなくなってしまいました。そして無人のまま家は放置された。
 なのに夜に周辺を走ると、誰もいないはずの家に電気がついており、人影を見たという声まであったというのです。

 しかしこの建物では心中どころか、人が住んだ事は無いと考えられています。
 家から作州街道を挟んで電柱がありますが、ここから家に向けて電線が伸びてきていません。
 人里離れた山奥の集落でもありませんし、家はまだ新しく電気が通る以前のような古い時代の建物ではありません。つまり、これらの家は電気が通った事がない、人が住んだことがないという事になります。

 実際に建物を見てきた人は、建物中は生活感が全くなかったと証言しています。

その真相は…?

 ではこれらの家は何なのか?という事になりますが、いくつかの説があります。

住宅金融公庫への詐欺説

 よく知られるのが、住宅金融公庫への詐欺の為に作られたというものです。
 住宅金融公庫に水増しした建築費で融資を申請します。例えば一軒が1,200万円で作れる建物を2,500万円で申請する。
 その差額を懐に入れるというものです。今回の作州街道の家は4軒あるので、相当な金額を手に入れることが出来ます。

 例えば建築の進行に合わせて融資が実行される仕組みを利用し、途中まで工事を進めて資金を引き出して、十分貰った時点で止めるという手口も考えられます。
 噂の中では逆にそういった不正をしようとしていた事が発覚して、完成前に工事が中断になったという説もあります。

 建物の見た目はお世辞にもお金のかかった物には見えませんし、開発許可の取りやすい小規模なミニ分譲の規模である事などの条件も合致していると言えそうです。

その他の説

 他にも当時は地方では農協(JA)の住宅ローンが広く利用されていたため、農協を舞台にした金融トラブルだったとする説、現実的な話題としては水道管が引き込めなかったという説などもあります。

 また、建物のデザインが1990年代前半頃と思われ、ちょうどバブル崩壊による不景気が引き起こされた時期です。完成直前か分譲直前で会社が倒れ、不自然な状態で残された真新しい家に、怪談や詐欺の噂が生まれた…というのも、現実的な見方かもしれません。

 人が住むはずの家が誰も使われないまま残されていると、その理由を説明するために様々な噂が生まれます。特に住宅の場合は「一家心中があった 家」といった話が広まりやすく、作州街道の家もそうした経緯で心霊スポットとして語られるようになった…というのも、十分に説得力があるように思います。



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写真:作州街道の空き家

最終更新日:2026.3.8


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