レインボーマンション
レインボーマンションとは
かつて岡山市北区に「レインボーマンション」と呼ばれる、心霊スポットとして知られたマンションがありました。
かつて建物から自殺した人がおり、その霊が引き寄せるのか自殺が続出している、住んでいる人の部屋カビだらけになった、敷地の一部はかつて墓地だった…なんて噂もありました。
肝試しに行ったら帰り道で悪いことが起きたという話もありましたが、管理人がいて多くの人が住んでいるマンションで肝試しは難しいでしょうから…、こちらは都市伝説でしょう。
レインボーマンションという程なのでよほど虹が強調されたデザインなのだろうと思いそうですが、実際は建物から突き出したエレベーターの部分に一筋の虹が描かれているだけでした。
真相を調べてみた
この噂についてネットの力を駆使して調べてみました。
国土地理院では過去の航空写真をWEB上で提供しているので、周辺の様子を何枚か調べてみました。
マンションが確認できるのは1980年の写真からです。
なのでそれ以前の年代にさかのぼってみると、1975年の地図でそれらしい建造物が見えるのが確認できます。

道路に分断された円形に囲われた場所の内側、小さな建造物が幾つも並んでいますが、これが墓地だったのでしょうか。
交差点の右下には現在も残る墓地が見えます。
マンションが建てられるのは円形になっている右側、「b」のような形で整地されている箇所です。
もう少し遡って1961年の様子です。

古い年代なので元写真がぼけているので、こちらでコントラストを調整しました。
円形の部分は当時から存在しますが、墓らしいものは何もありません。
国土地理院の地図では1948年の写真も存在しますが、そこまで遡ると周辺は田畑のみでお墓どころか建造物は何もありません。
なので結論から言うと、レインボーマンションは墓地を撤去して建てられた建物ではありません。マンションが建っているのは写真の円形の部分の右側で、1948年まで遡っても田畑しかなかった地点です。
1975年の時点で見える建造物がお墓だとしても、マンションが建っている部分にお墓はありません。お墓が前と横に位置するという特殊な立地から、そのような噂が流れるに至ったのでしょう。
改装
ところでこの噂は最近では余り聞かれなくなりました。ネット上で話題にならなくなってきたのは概ね外装リフォームが行われた頃からです。
今は虹のイラストも消え、落ち着いた色合いになりました。
同時期にマンション前が公園化されたこともあって、雰囲気が一変しました。
記事は残っていませんが、管理会社がブログでリニューアル後は順調に推移していることを明かしたこともありました。
かつて水島の某老舗ラブホテルも心霊スポットとして有名でしたが、そちらもリニューアルしてから噂を聞かなくなりました。
レインボーマンションもやや古くなってきた塗装に明るい虹というミスマッチが妙な噂を読んだだけだったのでしょうか。
心霊話は元々が実態のない噂というパターンが多いので、雰囲気に左右されやすいのかも知れませんね。
※マンションは管理地です。無断で立ち入ってはいけません。