怪奇・キューピーの館
不思議と哀しさが入り混じる「キューピーの館」
かつて岡山市北区の山あい、田んぼのあぜ道を進んだ先に、「キューピーの館」と呼ばれる不思議な建物がありました。
地元でまことしやかに語られているちょっと怖くて、でも気になるスポットです。
草木が生い茂る細道をたどると、やがて古びた建物が見えてきます。
一見すると廃屋のように見えるその建物ですが、扉の向こうを覗いた瞬間、誰もが息を呑むでしょう。
中には、無数の赤子の人形が所狭しと散乱しているのです。
壁にも、天井にも、そして床にも、大小さまざまな赤子の人形が吊るされていた李落ちていたり…。
まるで、時間が止まった不思議な空間のよう。
この光景から、いつしか「キューピーの館」と呼ばれるようになりました。
由来や設置の理由は明確には分かっておらず、心霊スポットとして噂されることも。
ちなみにこの館はキューピーの館と呼ばれていたものの、実際にあった人形はキューピー人形ではありませんでした。後年になってキューピーも見られるようになましたが、これは外部から持ち込まれた物と見られます。
訪れた人の中には恐怖よりも「不気味というより、どこか哀しげ」という声もあり、見る人によって感じ方は様々です。
興味本位での訪問はおすすめしませんが、岡山市にこんな“都市伝説”があったということだけでも、少し記憶にとどめておくと面白いかもしれません。
その正体は…!?
建物の内部を見ていると、一つ気づくことが有ります。
それはキューピーの館と呼ばれる建物が宗教施設であることです。
人形が集中している辺りに、祭壇と思われる壇が残されています。
量の人形も決して闇雲に集められ、吊るされたのではないようです。
そして一つ一つに日付と名前が入れてあります。
こうした事から、キューピーの館は安産祈願や子供の成長を祈願するような宗教の施設だったのではないかと考えられています。
余談ですが現地で見られた人形はキューピー人形ではありません。赤子の人形が吊るされていた事から、連想でキューピーと呼ばれるようになったようです。