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前野港造の店・サカエ
詳細
前野港造
生没年:1897年~
職業:サクソフォン奏者、自営業
ゆかり:引退後に開いたお店
スポット:喫茶サカエ
前野港造とは
日本初のジャズサックス奏者として知られる前野港造は岡山県出身です。
18歳で上京し、日本初のダンスバンドとして知られるハタノ・オーケストラへクラリネットで参加しました。
船のバンドに参加した際に、管楽器メーカー・セルマーのサックスをサンフランシスコで購入したのが日本のジャズサックスの草分けとなりました。
その後は戦時中は工場での慰問演奏会などを行い、戦後にはレコードの録音を行ったほか、後進のジャズ奏者の育成をした事でも知られています。
玉野市のサカエと前野港造
岡山県玉野市には演奏者を引退した前野港造が始めた喫茶店のサカエが今も営業を続けています。
冒頭の写真がサカエの外観です。
ここからはお店の方に聞いたエピソードをご紹介します。
引退後に喫茶店を始めた前野港造ですが、周りの人々は彼が日本のジャズ界における重鎮のような人物という事は知らなかったそうです。
しかし1959年にNHKの「私の秘密」というテレビ番組へ出演します。
この番組は珍しい経歴や特技を持った人が出演し、回答者がその人がどういった人なのか当てるクイズ番組でした。
前野港造はもちろん日本初のジャズサックス奏者として出演しました。
番組を見た周囲の人々は「前野のおじさんだ!」とびっくりしたそうです。
この番組への出演は前野港造を再び音楽の世界へ呼び戻すことになります。
お店のそばに工場を構える三井造船(現・三井E&S造船)の楽団や、学校の吹奏楽部から顧問として声がかかるようになり、再び後進の育成をしながら余生を過ごしたのだそうです。
美味しいデザートもメニューにあるので、ぜひ立ち寄ってみて下さい。
お店は平日のお昼過ぎまで営業しています。