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晴明さんちの不憫な大家

小説、「晴明さんちの不憫な大家」は浅口市を舞台としています。
登場人物の名前などにも岡山県に関連するものが含まれているので、このページでご紹介します。

尚、作品のネタバレを含みますので予めご了承下さい。

1巻に登場した岡山

登場人物


・吉祥真備
 主人公の男性。
 名前は岡山県出身の公卿、吉備真備から。
 読み方も吉備真備と同じ"まきび" です。

・山陽リビング 鴨方
 太常の現世での姿の名前です。
 会社名にある山陽は、本州の内で岡山県も含む瀬戸内海側に広がる地方名です。
 岡山~広島にかけては、山陽が入る会社名は非常に多く見られます。
 名字の鴨方は舞台である浅口市の中心市街地の地域名です。

・栢谷多喜子
 二話の主要登場人物。
 作品中で最初に岡山弁を喋ったのはこの人です。
 読み方は"かいだに"で、これは岡山市北 区の地名です。
 多喜子の字は岡山城主だった宇喜多家を連想しますが、深読みしすぎでしょうか。

・和久美咲
 四話の主要登場人物ですが、登場時点で既に故人です。
 美咲町は岡山の北東部の自治体名です。

・すねこすり
 四話で登場します。

 岡山県に伝わる妖怪です。
 雨の夜道で人の足の間を通り抜けていくと伝えられています。
 作品中に登場した人を転ばせるタイプは、井原市で目撃例のあるものです。

 真備はハムスターと猫を混ぜたような生き物と 表現しましたが、伝承に残るすねこすりはに 近い生き物です。
 猫とされるようになったのは近年の事で、ネット上では水木しげる作品のすねこすりが猫っぽい事に起因するという説がよく紹介されています。

登場する場所


・鴨方駅前
 先祖代々相続されてきた1坪の土地を見るために、不動産会社の人と待ち合わあせた場所はJR鴨方駅です。


 真備は駅裏はとても昭和な風景だと感想を 漏らしているので、昔ながらの商店や住宅が残る北口で待ち合わせていたものと思われます。

・阿部山~阿部神社
 一坪の所在地は阿部山
 陰陽師の安倍晴明が星を見る為に住んだという伝説のある山です。
 真備が酷道と表現していますが、ルートは恐らく県道155号なので険道と表現する方が正確でしょうか。
 道は決して悪くありませんが、とにかく細いです。
 対向車が来るとちょっと嫌な気持ちになりますが、所々に退避場所があります。

県道155号

 車で20分というのは概ねリアルな数字です。
 そして駐車したのは旧阿部山キャンプ場で す。

旧阿部山キャンプ場

 本文の記載通り使用されなくなったキャンプ場でしたが、実は本が発売された2019年に阿部山ふれあい広場として再整備されました。
 尚、阿部神社に行く際には旧キャンプ場の駐車場以外にも駐車可能なスペースがあります。

阿部神社への道

 上の写真が本文に出てくる「舗装された道路から伸びる脇道」です。
 このすぐ手前が駐車可能なスペースになっています。

 ここから400mくらい山道を進めば阿部神社です。

阿部神社へ続く道
 山道はこのような感じの未舗装の道です。
 地元の方は軽トラックなどで通っているようですが、ところどころで道がえぐれていたり、石が落ちていたりするので徒歩で行くの がが無難でしょう。

阿部神社

 これが阿部神社の社殿です。
 神社は真備が「ただの小屋」と表現した通り、シンプルな建物です。

 本文中に出てくる鳥居はなく、石柱が立っています。

阿部神社の石柱

 この石柱があるのは真備たちが歩いてきた県道からの道ではありません。
 県道は東側から神社の裏から入っていくのに対し、石柱があるのは南側から正面に入っていくルートです。
 ただしこちらのルートは草が茂っており、道の状態もよくありません。

 そして本文では少し語られるに留まった晴明大権現も実在します。

阿部神社・晴明大権現
 元々この地で祀られていたのは、この晴明大権現の方です。
 こちらが江戸時代に既に祀られていたことが確認されているのに対し、阿部神社が創建されたのは昭和17年の事です。

 そして本文中に出てくる晴明の屋敷跡を示す木札も実在します。

安倍晴明の屋敷の木札

 境内の中に木々が茂っている場所があり、ここが屋敷跡です。
 ちょっと引いてみましょう。

安倍晴明の屋敷跡
 真備が相続する土地はこの茂みの中にあることになります。

食べ物


・手延べうどん
 二話で多喜子が紹介した鴨方名物。
 真備の言う通り鴨方の特産品と言えば素麺のイメージが強いですが、手延べうどんも人気です。
 二話のラストで食べに行っていますが、店でのシーンは無し。

・果物
 第四話の途中で岡山の特産品として解説されますが、作中には登場せず。
 真備は「東京で買おうと思ったら僕ではちょっと手が出ないような高級フルーツ」としていますが、これは少し誤解があります。
 確かにちょっとは安く買えるかもしれませんが、岡山で買っても高いものはやっぱり高いです。

・Cielのまん丸お山のチーズケーキ
 真備が移動中に食べていたドーム状のチーズケーキは、Cielという実在のケーキ屋の人気商品です。
 作中の解説通りフワフワとしたシフォンケーキのようなチーズケーキです。
 意外と大きく、3~5人分くらいはあります。

1巻不明点について


 1巻を調べて不明だったポイントについてまとめます。

・元雑貨店のタバコ屋
 四話で登場したタバコ屋。
 ドラえもんのジャイアンの家のような日用品を販売するお店の横にタバコ販売の為のブースが設けられている昔ながらのスタイルで す。
 ただし雑貨店の方は既に営業していない様子…。
 やけに描写が細かいのでモデルがありそうですが、今回は特定出来ませんでした。

・いちご大福
 真備が食べていた大量のいちご大福。
 浅口で人気のいちご大福といえばロッシ洋菓子店がありますが、残念ながら外見や中身についての細かい記載がないので特定は出来ませんでした。

・古道具店
 四話のストーリーのきっかけとなる古道具店ですが、浅口市内で古道具、古美術を扱うようなお店は見つけられませんでした。
 モデルはなかった可能性もありますが、念の為に不明に加えます。


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関連リンク


写真:広兼邸
写真提供:Googleマップ


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