秋津温泉・舞台探訪
自殺を決意した一人の青年が訪れたある温泉地―。
彼はそこである女性と出会い、生きる気力を取り戻します。
そして長い年月を経て、ヒロインが選んだ結論に、
多くの人が感動した名作…そのロケ地は、岡山県の奥津温泉でした。
大釣荘(現・大釣温泉)
ヒロインの営む温泉旅館の秋津荘は、大釣荘という実在の旅館です。
しかし現在は廃業しており、跡地に大釣温泉という建物があります。
現在の建物にロケ地として使われた名残は残っていませんが、周辺の風景には映画の名残が充分に残されています。
ちなみに作品上のモデルとなったのは、同じく奥津温泉にある『河鹿園』という旅館だそうですが、2012年に休業しています。(映画の際の関係者の宿泊場所にも使われました)
奥津温泉
17年間、二人が愛を深め、そして主人公が5度に亘ってヒロインを尋ねてきた温泉地は、奥津温泉の事です。
名前も奥と秋を変えただけです。
原作者の藤原審爾は少年期と戦争が激化した時期を岡山で暮らしており、第二の故郷のような場所です。
これが著者にとっての出世作であり、代表作の一つとなりました。
(奥津温泉周辺の風景・写真提供:岡山県観光連盟)
奥津渓
17年に及んだ二人の関係に終止符が打たれたシーンが描かれた桜の木がある場所は、奥津渓の脇の辺りの場所です。
ちょうど『国指定名称 奥津渓』の石碑がある辺りですが、これは実際には桜の木ではなく、もみじの木です。
これを作品中では満開の桜の木に模したのです。

(奥津渓の風景・写真提供:岡山県観光連盟)
般若寺温泉
大釣荘の近くにある温泉で、入浴シーンに登場しています。
周辺の風景は勿論、建物も当時と余り変わっていないので、映画のシーンを探すと言う点では、奥津渓と並んで外せないスポットです。
元々は修行僧の為に用意されている施設だったものを、宿として再利用しているのだそうです。
・苫田ダム(久田小学校跡地)
久田小学校という場所が終戦直後の様子が撮影された場所でしたが、ダムを作る為に既に建物は取り壊され、周辺も水没してしまっています。