瀬戸大橋物語6

鷲羽山トンネル
瀬戸大橋の目指した景観との調和

  瀬戸大橋の色は景観との調和を目指し、ライトグレーを選択しました。
 しかし瀬戸大橋が景観との調和の為に施した工夫はそれだけではありません。
 橋のデザインなど細かな点に景観への配慮が伺えます。

 その一つとして、『鷲羽山トンネル』を紹介します。
 上のおおきな写真の中央部にあるmのような形になっているトンネルです。

 この鷲羽山トンネルは写真で見ると入り口は二つしかありませんが、実は世界に前例のない四つ目のトンネルとして誕生しました。
 当初はオープンカット工法(山を切り開いて道を作る)で行われるはずでしたが、鷲羽山の自然と景観を破壊しないために外観へのダメージが最小限に抑えられるトンネルに変更され、写真に見える上の二本を車が、そのにある二本には鉄道が、それぞれ通るように作成されました。

  また、瀬戸大橋の岡山県側にある下津井瀬戸大橋吊橋には、必要なはずの橋台が外からは見えません。これも鷲羽山の景観を気遣ったもので、橋台が存在しないのではなく、山の中(鷲羽山トンネルの両側)へ埋め込まれているのです。
 またケーブルの先端もトンネルの中で固定されるなど、景観を損なわないための徹底的な方策が練られていることが判ります。

 瀬戸大橋建設はただ本州と四国をつなぐためだけではなく、美しい景観を損なわないというコンセプトを両立するべく進められたのです。

 
<<前の記事  TOPへ戻る  >>次の記事

写真撮影:岡山の街角から


目 次


ページのトップへ戻る