TOP>コラム>コラム・岡山の事件簿>25.女王丸遭難事故

『牛窓沖・女王丸遭難事故』
女王丸遭難事故
1948年に牛窓沖で女王丸という船が沈没しました。
女王丸遭難事故等と呼ばれる事故です。
女王丸は大阪~多度津の航路を行く定期船です。
沈没の原因は操作ミスや天候によるものではなく、戦時中にB29により設置されていた船用の爆弾である機雷に接触してしまった為でした。
船員、乗客合わせて300人以上が乗船しており、その内の183人が死亡、行方不明となる大惨事になりました。
当時の状況
1945年に終戦を迎えた後、機雷の回収は行われていました。
しかし作業は主要な港を優先していました。
牛窓周辺はまだ作業が行われておらず、終戦から数年が経った事件当時でも機雷が残されていたのです。
航行する船舶への警報は出されていたものの、女王丸のように機雷に接触してしまう事故が多発していました。
そうした状況を知らされていなかった県民にとっては、まだ身近に嫌いが残されている事実は驚きを持って受け止められました。
本蓮寺

女王丸遭難事故に関連するスポットに瀬戸内市牛窓町の本蓮寺があります。
沈没現場を見下ろす高台にある寺院です。
ここは事件の際に遺体が安置された場所です。
境内には事故で犠牲になった方々の為の慰霊碑があり、また事故の起こった1月28日には法要が営まれています。
法要には今でも犠牲者の遺族や、事故を知る人々が訪れて犠牲者に祈りを捧げていくそうです。
関連リンク
写真:上・本蓮寺から見た事故現場周辺、下・本蓮寺社殿
写真提供:岡山県
