『大覚のユニークな布教方法』
岡山に多い日蓮宗
備前法華に安芸門徒という表現を聞いたことがあるでしょうか?
岡山(備前)に日蓮宗の信者が多く、広島(安芸)では浄土真宗の門徒が多いという、それぞれの地域の特徴を表した言葉です。
実際に現在でも岡山市では日蓮宗の家が多く、古刹として知られる寺院も多く見られます。
岡山県で最初に日蓮宗を布教したのは大覚という僧侶です。
庶民の間に日蓮宗を広めましたが、ユニークな手法が伝えられているので、続いてご紹介します。
田植え唄とお経
これは津島に伝わるお話です。
大覚が当地を訪れたのは、ちょうど田植えの時期でした。
彼は田植えをしている人々に布教を始めることにしました。
まず前へ前へと植えていたのを、徐々に後ろに下がりながら植えるという効率的な方法を伝授しました。
大覚のユニークなのは、そこからです。
彼は田植えが捗る田植え唄として、なんと「南妙法蓮華経」を教えたのです。
笑い話のようですが、南妙法蓮華経が意外にも田植えに合うという事で、農家の人々が口ずさむようになりました。
こうして岡山の庶民の間に日蓮宗が浸透していったのだとか…。
当時の岡山では庶民が念仏を唱えながら田植えをしている風景が見られたのですね。
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画像:『田植え唄』

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