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寺町の風景

地名の由来:西寺町

地名の由来


 津山市の市街地の西部に西寺町という地名があります。
 江戸時代に森家が城下町整備をする際に作った一角です。城下町の東西の端に寺院を集めて街を形成したのです。

現地の案内板

 上の画像が西寺町に設置されている案内板です、文字が小さいので読みづらいと思いますが、文字が書かれているところの大半が寺院です。(一部、小学校などが含まれます)

 地名もこの事に由来し、かつては対となる東寺町も存在しましたが、現在は地名としては残されていません。
 東寺町に相当するのは、現在町並み保存地区として観光スポットとして賑わう城東地区周辺です。こちらも山裾の辺りに寺院が多く見られ、寺町として整備された名残を感じさせますが、西寺町ほど多くの寺院はありません。

なぜ寺を集めた?


  一か所に同じ職業を集めるのは新たに城下町を構築する際に用いられる職人町の手法とも言えますが、それを寺にも適用したのは何故でしょうか。

 まず一つには城下町の景観を整えるという目的があります。
 武家屋敷がある町、庶民が住む町、職人が住む町、そして寺が集まる町…とすることで、確かに城下町は整然として姿に作り上げられます。

 しかしそれ以上に重視された目的があります。
 それは城の防備です。江戸時代になり、新たな城や砦の類を新設する事は難しく成りました。そこで塀や門を供えながら、新たに作る事が咎められなかった寺院を城下町の東西に配備する事でいざという時の防衛拠点に転用できるようにしたのです。

 これは高梁市(備中松山藩)でも同様のケースが見られます。

松連寺

 松連寺は立派な石垣を持ち、まるで要塞のような佇まいでありながら、寺院であるという建前から咎められることなく設置する事が出来ました。(関連リンク:松山藩の砦・松連寺
 



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関連リンク


写真:西寺町の風景、案内板
写真撮影:岡山の街角から

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