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有名になり、そして消えた上九一色村

オウム事件で有名になった上九一色村


 1990年代半ばに日本中を震撼させたオウム真理教事件。
 教団の拠点が置かれたのが山梨県西八代郡上九一色村です。
 読み方は「カミクイシキ」です。かつての九一色郷に属したことが地名の由来で、九一色村が分かれて上九一色村と下九一色村となりました。

 地名は住民に木材の加工を生業とする木地師が多かったことから工一色が転じたとも、郷内に含まれる九つの地域が全て一色(一種類)の税を納めていた事からとも伝えられています。 
 

消えた上九一色村


 日夜の報道で世間に名の知れた地名ですが、現在は存在しません。
 平成の大合併の際に廃止されました。

 上九一色村は現在の甲府市と富士河口湖町に編入しました。
 実は平成の大合併では一つの自治体が二つに分かれて他市町へ編入する分割からの合併は唯一の事例です。

 村は御坂山地によって南北に分かれており、同じ村でありながら警察署の管轄も南北で異なるなどそれぞれに異なる地域性を有していていました。
 その為に合併のアンケートでも南北でそれぞれ交流の深い自治体との合併を望む声が挙がり、それぞれ別々に合併を進める事になりました。

 尚、合併後も上九一色の地名は甲府市、富士河口湖町共に地域名として用いていますが、町字では旧村の南北どちらも引き継ぎませんでした。
 別々の市町に分かれたのでややこしくなる事を避ける為というのもあるのでしょうが、オウム事件の印象の強い地名を用いる事を好ましく思わなかったという事情もあったのではないでしょうか。


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