
日本唯一の改名事例、会津若松市
日本で唯一の改名事例
福島県の会津若松市は1955年に日本で唯一となる形の改名を行ったことがあります。
会津若松市の起源は1889年、若松市として成立しました。
改名のきっかけとなるのは1914年に同名の若松市が福岡県に誕生した事です。
ここから40年以上も日本には若松市が二つある状況が続きます。
現在も日本には府中市と伊達市という同名の地名が二組ありますが、若松市の場合は県名も福島と福岡で似ていた為かトラブルが多かったようです。
そして前述の通り1955年に福島の若松市が会津若松市に改称します。
この時に北会津郡に属していた7つの村が編入しており、これを好機として改名に踏み切ったようです。
編入とは言え7村が加わって心機一転の意味も込められているのでしょうが、やはり同名の市の存在による混乱が理由としてあったそうです。
これは日本において同名の地名を避ける為に、先にあった自治体の方が改名した唯一の事例です。
そして誰もいなくなった
ここまで読んで、地理に詳しい人なら「福岡に若松市なんてあったっけ?」と思ったかもしれません。
現在の福岡県には若松市は存在しません。
1955年に唯一の若松市となった福岡県の若松は1963年に周辺の市と合併して北九州市を発足させ、消滅してしまったのです。
わざわざ福島の若松市が譲ったというのに、10年足らずで日本から若松市が消滅してしまいました。
ちなみに北九州市は後に政令指定都市に昇格、若松市の市域は若松区となりました。