
チョウとマチマチの、ソンとムラの分布
チョウとマチの分布
市町村の中で市だけは読み方が「シ」で固定されていますが、町村については町が「チョウ」と「マチ」、村が「ソン」と「ムラ」の二通りが存在します。
音読みと訓読みのどちらを採用するかにはルールはなく、それぞれの自治体に任されています。
実はこれらには地域ごとの傾向があります。
まずは「町」から見ていきましょう。
ざっくり言うと本州では東日本は「マチ」が優勢で、西日本は「チョウ」が優勢。北海道では「チョウ」が優勢で、四国には「チョウ」しか存在しません。九州はどちらが多いという事はありません。
ただし東日本は東北では「チョウ」が増え、福井県という「チョウ」しかない自治体も含まれます。
徹底しているのは本州の西日本側です。
島根県の川本町がマチを採用している以外は全てチョウです。
面白い事例としては倉敷市の茶屋町があります。読み方はチャヤマチですが、倉敷市に編入する以前は「チャヤチョウ」としていました。岡山県の他の「町」が「チョウ」の読み方を採用していた為、周りに合わせてたのです。
しかし旧来からの読み方の方が親しまれており、倉敷に編入される際に読み方を戻しました。
※東西の境目には長野や静岡などで諸説がありますが、当サイトでは天気予報でおなじみの気象庁の基準を採用しています。
ムラとソンの分布
では引き続き、ムラとソンを見ていきましょう。
町と同じく多少の地域性が見られますが、日本では概ね「ムラ」の読み方の方が優勢です。
…このように書くと、一部地域の人は首をひねるかもしれません。
「ソン」の読み方を採用しているのは6県のみで、その内の5県では「ソン」という読み方しかありません。なのでその5県に住む人にとっては自治体の村は「ソン」と読むのが一般的と感じているはずです。
村が全国的に減少しており、既に村がない県も存在します。
それらの件の中から最後まで存在した村を見てみると、広島、山口が「ソン」を採用していたようです。
なので傾向としてはやはり全国的にムラが多く、中国地方の辺りでソンを採用する自治体が見られる…という事になりそうです。