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地名の由来:岡山市北区弓之町

地名の由来

 岡山市の中心部に位置する岡山市北区弓之町(ゆみのちょう)。このユニークな地名には、かつての城下町の歴史が深く刻まれています。一体なぜ「弓」という名が付けられたのでしょうか?その答えは、江戸時代の岡山城下町の整備と、そこに暮らした武士たちの存在にあります。

 弓之町という地名は江戸時代初期、岡山藩二代藩主・池田忠雄の時代に、岡山城下町の整備の一環として誕生しました。この一帯にはその名の通り「弓衆(ゆみしゅう)」と呼ばれる武士たちが住まわされていました。

 弓衆とは、弓組の隊員を指し、戦の際に弓矢を用いて戦うことを専門とする武士のことです。彼らが集まって暮らすエリアだったことから、「弓之町」という地名が自然と定着していったのです。

 ただし、江戸時代後期になると、この地域に住むのは弓衆に限られなくなり、他の一般的な侍たちも居住するエリアとなっていたそうです。それでも、地名だけは初期の歴史を今に伝えています。


城下町によく見られる「職業地名」の文化

 弓之町のように、特定の職業に由来する地名は、日本の城下町で非常によく見られる特徴です。これは、城下町を整備する際に、特定の職業を持つ人々や、呼び寄せた商人を一か所にまとめて住まわせる、という都市計画が一般的だったためです。

 例えば、刀鍛冶が集まる「鍛冶町」、大工が集まる「大工町」、染物屋が集まる「紺屋町」など、現代にも残る地名で、その地域の歴史や産業を知ることができます。

 岡山県内でも、かつての津山藩の城下町であった津山市街地には、こうした職業に由来する地名が数多く残されています。これらの地名は、単なる住所表示ではなく、その土地が歩んできた歴史、そこに暮らした人々の営みを今に伝える貴重な歴史遺産と言えるでしょう。

関連リンク:津山市内の地名の由来



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関連リンク


写真:弓町公園
写真:Googleマップ

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