岡山県護国神社をお参りした後、余力で周辺を散策している綺麗に整備された墓地がありました。
近づいてみるとただの墓地ではなく、「日蓮宗不受不施派 御先師御墓所」と書いてあります。
日蓮宗不受不施派について簡単に説明します。
日蓮宗から分かれた宗派で、古来の考え方に沿って他の宗派からの施しを受けないという姿勢を貫いてきました。
しかし江戸時代になるとその考え方が幕府の反発を買い、禁教とされました。
岡山市は伝統的に日蓮宗が多い地域で、不受不施派の信者も多くいました。その為に全国的にも徹底した弾圧が行われていました。
明治時代になると新政府が態度を南下させたので、岡山で不受不施派は再興しました。
この墓地は再興から百周年の記念事業として整備されたそうです。
不受不施派の祖山である妙覚寺を訪れたことがありますが、そこは信者以外立ち入り禁止になっていました。
この墓所にはそうした記載はありません。しかし関係者以外が立ち入るような場所でもないと判断し、入口付近で写真を撮るだけに留めました。
ネット上にも情報は見当たらないので、どのような方の供養なのかは分かりません。
しかし再興百周年の事業ということであれば、禁教時代にきちんと祀れなかった高僧、再興のために奔走した人…そういった方々が埋葬されているのではないかと感じました。
関連リンク:日蓮宗不受不施派と岡山・妙覚寺